魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
こんなことしたって、本気で私を好きになったりしないくせに……最後まで残った抵抗は、一心に求められるうちに曖昧になってしまった。
互いの乱れた呼吸と速い心音、汗ばんだ肌と肌がぶつかる湿った音に満ちた部屋の中で、彼の体温に溶け込み一つになる感覚が、ただただ心地いい。


「っ、はっ……」


いつも飄々とした態度で、私を意地悪に翻弄する……本心を見せないミステリアスなパイロットが、荒い息を憚らない。
容赦なく奥深くまで抉られて喘ぐ私に煽られるかのように、より一層強く腰を動かし、私を揺さぶる。


『本気で抱いてやるから、俺のものになれ』


こうなる前、先ほどの彼の言葉が、私の胸を貫いたままだ。
そして、汗を散らして私を抱く彼からは、確かな本気が伝わってくる。
よくわからない嬉しさが悦びとなり、私の全身を痺れさせ、耽溺させる。


「あんっ……!!」


一際深いところを突かれ、私は堪らず甲高い声をあげた。
私の腕の中で、神凪さんも「くっ」と呻く。
次の瞬間、身体の真ん中で、彼がドクドクと脈打つ感覚を捉えた。


「あ、あ、あ……」


真っ白になった目の前に、チカチカと星が飛ぶ。
ゾクゾクと昇り詰める快感に恍惚として、私は喉を仰け反らせた。


「芽唯……」


脱力気味に、吐息交じりに私を呼びながら、ギュッと抱きしめてくれる彼の肩に額を預け――。
私は意識を手放した。
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