魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
『JK10, contact departure』
離陸が完了すると、管制はタワーからディパーチャーへと移る。
「Contact departure, JK10.Good day」
俺はタワーに別れを告げ、航空無線の周波数を合わせた。
「Departure. JK10, leaving 1500, climing to FL200」
ディパーチャーに呼びかけ、現在の高度を告げる。
ザザッとノイズが走った後――。
『JK10 departure, radar contact, fly heading 150, climb and maintain FL200』
二万フィートまで上昇後高度維持の指示を受け、リードバックして交信を終える。
「ナイステイクオフ」
後ろから水無瀬に声をかけられ、久遠さんがわずかに口角を上げた。
俺も目元を綻ばせ、フロントガラスの向こうの夜空を見据えた。
薄い雲がかかっているものの、キラキラと星が瞬いている。
ヨーロッパの空は晴れているが、羽田到着時、空は荒れ模様の予報だ。
羽田に着陸するまで。
――芽唯に会うまで、気が抜けない。
離陸が完了すると、管制はタワーからディパーチャーへと移る。
「Contact departure, JK10.Good day」
俺はタワーに別れを告げ、航空無線の周波数を合わせた。
「Departure. JK10, leaving 1500, climing to FL200」
ディパーチャーに呼びかけ、現在の高度を告げる。
ザザッとノイズが走った後――。
『JK10 departure, radar contact, fly heading 150, climb and maintain FL200』
二万フィートまで上昇後高度維持の指示を受け、リードバックして交信を終える。
「ナイステイクオフ」
後ろから水無瀬に声をかけられ、久遠さんがわずかに口角を上げた。
俺も目元を綻ばせ、フロントガラスの向こうの夜空を見据えた。
薄い雲がかかっているものの、キラキラと星が瞬いている。
ヨーロッパの空は晴れているが、羽田到着時、空は荒れ模様の予報だ。
羽田に着陸するまで。
――芽唯に会うまで、気が抜けない。