魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
わざわざ顎を引いて目を落とされ、私は思わずドキッとしながら返事をした。
B787にはB787-8、9、10と全三タイプあり、日本エア航空では合計八十機所有している。
B767に替わる、現在の主力機だ。
787のライン整備チームと一言で言っても、十チームある。
その中で、どうして即座に佐伯さんの名前が出てきたのか……。
「佐伯さん、ご存じですか」
上目遣いで質問を挟むと、「ああ」と短い相槌が降ってきた。
「同期入社だ」
「え。そ、そうでしたか」
まさかの縁に、私は意味もなく怯んだ。
佐伯さんと同期入社ということは、普通に考えたら今年三十一歳。
副操縦士としては三年目くらいという計算になる。
彼……神凪さんは、無言で何度か首を縦に振り、
「まさか、羽田空港に八十人しかいない女性整備士に、こんなところでお目にかかれるとは」
不遜に言って、私をまじまじと見下ろす。
今度は私の方が居心地悪く身を縮めた。
神凪さんは、ふっと目を細める。
「こんな可愛くて小さい華奢な女の子が、あの巨大な787の整備してるのか。ふーん」
しげしげと呟くのを聞いて、私はムッとして顔を上げた。
B787にはB787-8、9、10と全三タイプあり、日本エア航空では合計八十機所有している。
B767に替わる、現在の主力機だ。
787のライン整備チームと一言で言っても、十チームある。
その中で、どうして即座に佐伯さんの名前が出てきたのか……。
「佐伯さん、ご存じですか」
上目遣いで質問を挟むと、「ああ」と短い相槌が降ってきた。
「同期入社だ」
「え。そ、そうでしたか」
まさかの縁に、私は意味もなく怯んだ。
佐伯さんと同期入社ということは、普通に考えたら今年三十一歳。
副操縦士としては三年目くらいという計算になる。
彼……神凪さんは、無言で何度か首を縦に振り、
「まさか、羽田空港に八十人しかいない女性整備士に、こんなところでお目にかかれるとは」
不遜に言って、私をまじまじと見下ろす。
今度は私の方が居心地悪く身を縮めた。
神凪さんは、ふっと目を細める。
「こんな可愛くて小さい華奢な女の子が、あの巨大な787の整備してるのか。ふーん」
しげしげと呟くのを聞いて、私はムッとして顔を上げた。