魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
私は椎名芽唯。
羽田空港ベースで働く、日本エア航空の航空整備士だ。
日本最大手の航空会社の飛行機を、日本最大の空港で整備する航空整備士は千五百人ほど。
そのうち女性は、たったの八十名だ。
四年前、新卒で入社した私が最初に配属されたチームは、十五名のうち女性は私一人。
航空整備士はいわゆる力仕事で、圧倒的に男性が多い職業だ。
なにせ工具類は重いし、修理に使う部品も大きな物ばかり。
機体の分解整備のためにネジ一つ緩めるにも、巨大な飛行機のネジは太く固く、かなり腕力が必要だ。
その上、私の身長は百五十五センチ、やや痩せ型で、女性としても小柄な部類に入る。
男性の先輩たちが難なく進める仕事も、私には一苦労。
歯が立たないこともある。
チームの中では紅一点。
存在はマイノリティーだけど、一度業務に入ったら男女平等で、女性だからといって甘やかされはしない。
焦らずじっくり整備技術を学ぶためにと、比較的時間に余裕を持って作業できるドッグ整備チームに所属した三年間、一勤務終わる頃には機体の洗浄で全身埃と汚れに塗れ、油だらけ。
羽田空港ベースで働く、日本エア航空の航空整備士だ。
日本最大手の航空会社の飛行機を、日本最大の空港で整備する航空整備士は千五百人ほど。
そのうち女性は、たったの八十名だ。
四年前、新卒で入社した私が最初に配属されたチームは、十五名のうち女性は私一人。
航空整備士はいわゆる力仕事で、圧倒的に男性が多い職業だ。
なにせ工具類は重いし、修理に使う部品も大きな物ばかり。
機体の分解整備のためにネジ一つ緩めるにも、巨大な飛行機のネジは太く固く、かなり腕力が必要だ。
その上、私の身長は百五十五センチ、やや痩せ型で、女性としても小柄な部類に入る。
男性の先輩たちが難なく進める仕事も、私には一苦労。
歯が立たないこともある。
チームの中では紅一点。
存在はマイノリティーだけど、一度業務に入ったら男女平等で、女性だからといって甘やかされはしない。
焦らずじっくり整備技術を学ぶためにと、比較的時間に余裕を持って作業できるドッグ整備チームに所属した三年間、一勤務終わる頃には機体の洗浄で全身埃と汚れに塗れ、油だらけ。