魅惑な副操縦士の固執求愛に抗えない
言い淀んで目を伏せる私に、佐伯さんが小さな息を吐いた。
「神凪ってさ、本当はすごく不器用なんだよ」
「え?」
「あ! 彼女のお前は、本当はちゃんとわかってるだろうし、余計なお世話なのは承知してる」
私の反応にちょっぴり慌てた様子で、辺りにサッと視線を走らせる。
見渡すまでもなく、狭い事務所には私と彼しかいない。
誰の耳にも入らないことを確認して、佐伯さんは肩の力を抜いた。
軽くデスクに腰かけ、言い回しを考えるように天井を見上げ……。
「アイツが頻繁にハンガーに来るのって、お前に会うためだろ? お前には今までと違って、ちょっと驚いてる。なのに、神凪がつれなすぎて泣かされて、別れていった彼女何人か知ってるから、つい」
私は、目尻を下げる彼を訝しく見つめた。
「言いたい放題したい放題なんて、神凪らしくなくてむしろ嬉しい。自分が素でいられる相手にやっと巡り会えたってことなのかな。俺も、お前の相手が神凪でよかったって思う。……それに、アイツ……」
「神凪さんが、佐伯さんの彼女と同じ空の人だから、ですか」
「え?」
「……いえ」
卑屈になって独り言ちたのを拾われ、私はかぶりを振って引き取った。
佐伯さんは、口を噤んで目を逸らす私に怯んだ様子で、曖昧に首を傾ける。
「神凪ってさ、本当はすごく不器用なんだよ」
「え?」
「あ! 彼女のお前は、本当はちゃんとわかってるだろうし、余計なお世話なのは承知してる」
私の反応にちょっぴり慌てた様子で、辺りにサッと視線を走らせる。
見渡すまでもなく、狭い事務所には私と彼しかいない。
誰の耳にも入らないことを確認して、佐伯さんは肩の力を抜いた。
軽くデスクに腰かけ、言い回しを考えるように天井を見上げ……。
「アイツが頻繁にハンガーに来るのって、お前に会うためだろ? お前には今までと違って、ちょっと驚いてる。なのに、神凪がつれなすぎて泣かされて、別れていった彼女何人か知ってるから、つい」
私は、目尻を下げる彼を訝しく見つめた。
「言いたい放題したい放題なんて、神凪らしくなくてむしろ嬉しい。自分が素でいられる相手にやっと巡り会えたってことなのかな。俺も、お前の相手が神凪でよかったって思う。……それに、アイツ……」
「神凪さんが、佐伯さんの彼女と同じ空の人だから、ですか」
「え?」
「……いえ」
卑屈になって独り言ちたのを拾われ、私はかぶりを振って引き取った。
佐伯さんは、口を噤んで目を逸らす私に怯んだ様子で、曖昧に首を傾ける。