Next to be with you
「雅先輩ー!」
夏休みが終わり、始業式の日。
もちろん放課後は雅先輩の元へ向かう。
すでにたくさんの女子が集まっている体育館からは熱気が溢れ出ていた。
「相変わらず人気がすごいね。」
私の横で若干引き気味の顔をしているのは同じクラスで友達になった愛美だ。
たまに雅先輩のところへ一緒に来てくれる数少ない貴重な存在でもある。
他の友達は雅先輩よりも、同級生のイケメンとやらに興味があるようで、悲しいことについてきてくれることはない。
雅先輩よりもイケメンな男の子とか信じられないわ。
イケメン同級生の話を聞いても一切興味を持てなかった私に唖然とした友達の顔は未だに忘れられない。
一回ぐらい見に行ってもいいかなって一瞬頭を過ったけれどその時間も惜しいと悟ってからは2度とそんなことは思わなくなった。
「こんなに人気者に気づいてもらえるって莉優相当頑張ったんだね。」
「愛美、ありがとう!!!努力が報われるって素晴らしいね!」
「う、うん.....。あっ、雅先輩こっち来たよ。」
愛美が視線を向けた同じ方向を見ると、額に汗を滲ませながらこっちに歩いてくる雅先輩がいた。