売られた令嬢
「その顔は何となく察してくれてますかね?」
ゲイルは何がおかしいのか笑って私をみた。
私は首を振る…まさか…さすがにそんな事はしないだろうと自分の考えを払拭するように…
「お察しの通り王子はレミリア様を隣のアルゴラ国には絶対に渡したくないそうです…本当にわがままな王子で困ったものです…」
私は何も答えずにただ話を聞いていた…
「そこで王子は思い出しました…そういえば以前に婚約者がいた事を…そしてその婚約者は双子で瓜二つ…っとここまでいえばわかりますよね?」
「私と…レミリアは似てません…」
最後の抵抗とばかりに声を出すと…
「大丈夫、ちゃんと化粧をすれば似てますから」
「い、嫌だと言ったら…」
「ロレッタ!」
ここで初めてお父様が口を開いた…私はお父様を見るとその顔は怒りからまゆがつり上がっていた。
「王子の要求に逆らうとは何事だ!お前は婚約破棄されてから声をかけてくれる相手もいない、うちのお荷物だ!それが国の為に役に立つのだ!喜んで行くべきだろ!」
「さすがウォーカー様はわかってらっしゃる!」
ゲイルが大袈裟にお父様を褒めたたえた。
「まぁロレッタ様に拒否権はないのです。どうか我が国の為に犠牲になって下さい。なぁーに向こうの王子は歳が上ですが大丈夫…あの歳になってまで結婚はおろか、婚約もされてないとなると、どんな人物なのかある程度予想できますが…いやきっと良いようにしてくださいますよ…どんなに禿げていようが肥えていようが…」
「い、いや…」
私は立ち上がり扉に向かって逃げようとすると、その先を兵士に止められる。
後ろから何か布の様なもので口元を押さえつけられた…
すると徐々に意識が遠くなる…
「少しの間、眠ってください…気がつけばそこはアルゴラ国ですから、向こうで精々可愛がってもらってください…」
ゲイルの声は最後まで聞こえなかった…
私が気を失っている間に用意は滞りなく行われていた。
荷物は馬車に詰め込まれて私は国の誰にも知られること無くアルゴラ国へと運ばれていった。
「ん…」
目が覚めると…
「ここは…」
何かの箱の中に入れられているようだった…
ドンドン!
箱を叩くが反応がない…でも馬車のようでガタガタと時折揺れる。
「すみません…少しお花をつみに行きたいのですが…」
声をかけると馬車が止まった。
「箱を開けるが逃げ出さないでください…我々も命がかかってるんです…」
申し訳なさそうな声に思わずはいと返事を返す。
箱が開くと陽の眩しさに思わず目をつぶった。
するとガチャンっと手枷を付けられる。
「本当にすみません…」
御者らしき人はフードで顔を隠して頭を下げた。
見るとどうやら私は棺桶のような箱に入れられていたようだ、しかもかなりの距離を進んでいるのかもう王宮の高い城など見えなくなっていた。
「もうかなり進んでいるのですか?」
「はい…あと半日もすれば指定された国境付近です…」
「そうですか…」
もう逃げられないと悟ると私は御者さんに笑って答えた。
「もう逃げませんから…棺桶は勘弁してください。手枷は心配でしょうからこのままでいいです。どうか椅子に座らせてください」
私の要求に御者さんは頷いてくれた。
手枷を馬車の椅子に固定され逃げられないようにされると椅子に腰掛けた。
もう二度と帰ってこないであろう祖国の風景を私はずっと見つめていた。
ゲイルは何がおかしいのか笑って私をみた。
私は首を振る…まさか…さすがにそんな事はしないだろうと自分の考えを払拭するように…
「お察しの通り王子はレミリア様を隣のアルゴラ国には絶対に渡したくないそうです…本当にわがままな王子で困ったものです…」
私は何も答えずにただ話を聞いていた…
「そこで王子は思い出しました…そういえば以前に婚約者がいた事を…そしてその婚約者は双子で瓜二つ…っとここまでいえばわかりますよね?」
「私と…レミリアは似てません…」
最後の抵抗とばかりに声を出すと…
「大丈夫、ちゃんと化粧をすれば似てますから」
「い、嫌だと言ったら…」
「ロレッタ!」
ここで初めてお父様が口を開いた…私はお父様を見るとその顔は怒りからまゆがつり上がっていた。
「王子の要求に逆らうとは何事だ!お前は婚約破棄されてから声をかけてくれる相手もいない、うちのお荷物だ!それが国の為に役に立つのだ!喜んで行くべきだろ!」
「さすがウォーカー様はわかってらっしゃる!」
ゲイルが大袈裟にお父様を褒めたたえた。
「まぁロレッタ様に拒否権はないのです。どうか我が国の為に犠牲になって下さい。なぁーに向こうの王子は歳が上ですが大丈夫…あの歳になってまで結婚はおろか、婚約もされてないとなると、どんな人物なのかある程度予想できますが…いやきっと良いようにしてくださいますよ…どんなに禿げていようが肥えていようが…」
「い、いや…」
私は立ち上がり扉に向かって逃げようとすると、その先を兵士に止められる。
後ろから何か布の様なもので口元を押さえつけられた…
すると徐々に意識が遠くなる…
「少しの間、眠ってください…気がつけばそこはアルゴラ国ですから、向こうで精々可愛がってもらってください…」
ゲイルの声は最後まで聞こえなかった…
私が気を失っている間に用意は滞りなく行われていた。
荷物は馬車に詰め込まれて私は国の誰にも知られること無くアルゴラ国へと運ばれていった。
「ん…」
目が覚めると…
「ここは…」
何かの箱の中に入れられているようだった…
ドンドン!
箱を叩くが反応がない…でも馬車のようでガタガタと時折揺れる。
「すみません…少しお花をつみに行きたいのですが…」
声をかけると馬車が止まった。
「箱を開けるが逃げ出さないでください…我々も命がかかってるんです…」
申し訳なさそうな声に思わずはいと返事を返す。
箱が開くと陽の眩しさに思わず目をつぶった。
するとガチャンっと手枷を付けられる。
「本当にすみません…」
御者らしき人はフードで顔を隠して頭を下げた。
見るとどうやら私は棺桶のような箱に入れられていたようだ、しかもかなりの距離を進んでいるのかもう王宮の高い城など見えなくなっていた。
「もうかなり進んでいるのですか?」
「はい…あと半日もすれば指定された国境付近です…」
「そうですか…」
もう逃げられないと悟ると私は御者さんに笑って答えた。
「もう逃げませんから…棺桶は勘弁してください。手枷は心配でしょうからこのままでいいです。どうか椅子に座らせてください」
私の要求に御者さんは頷いてくれた。
手枷を馬車の椅子に固定され逃げられないようにされると椅子に腰掛けた。
もう二度と帰ってこないであろう祖国の風景を私はずっと見つめていた。