売られた令嬢
ロレッタはフレッド王子の顔が恥ずかしさのあまりにまともに見れなくてエミリーさんの肩に隠れた…
その行為にフレッド王子がムッと顔を顰める。
「王子、いい大人がそのくらいで拗ねないでください!ほら、ロレッタ様を運びに来たのならさっさとお願い致します。早くしないとロレッタ様が風邪を引いてしまいますからね!」
「わかった…」
フレッド王子はシーツに絡まるロレッタごと軽々と抱き上げると湯浴みの用意された部屋へと向かった。
「お、王子!王子にそのようなこと…私自分で歩けますから!」
「本当か?先程は腰が砕けたようになっていたぞ…こんな風に…」
王子はロレッタを支える背中の手をサラッとなぞるように動かした。
「んっ…」
するとロレッタからの思わぬ甘い声にビクッと反応して止まってしまった。
「お、王子…」
ロレッタは更に力が抜けてしまい…王子の服にしがみついた。
そして王子を見上げると…
「今はすべきでは無かった…すまない」
ロレッタは王子の様子に首を傾げていると、そのまま湯の張った浴槽にそっと降ろされた。
「じゃああとは頼む…」
王子は少し前かがみになりながらエミリーさんに声をかけて部屋を早足に出ていってしまった。
「王子は大丈夫でしょうか…私は何か不快にさせたのかも…」
心配になってエミリーさんに聞いてみた。
「大丈夫です。ロレッタ様は何も悪くありませんよ…それに私今のでさらにロレッタ様が好きになりました。この国きた経緯は酷いものですがどうかこの国で幸せになってくださいませ…」
エミリーさんのあたたかい言葉にロレッタは少し寂しそうに笑ってお礼を言った。
「ありがとう…」
でもその資格も価値も私にはないの…と申し訳なさそうに顔を下に向けた。
エミリーさんは何も聞かずに私の体を丁寧に洗ってくれると優しく髪を整えてくれた。
「仕上げに香料を塗りましょうね!王子の好きな香りにしておきます」
「はい…」
ロレッタはされるがまま大人しくしていた。
「では服ですが今色々と仕立てて貰ってますので今日はここにあるので我慢して貰えますか?」
そういうとクローゼットから色とりどりのドレスを出した。
「仕立てる?い、いえ!私は持ってきたドレスが数枚ありますのでそれで…私にお金など使わないでください」
ただでさえ借金で売られたのに更に借金を増やす行為など出来なかった。
「それは王子からのプレゼントですのでお気になさらずに…ここの服もそんなに高いものではありませんので大丈夫ですよ」
「そ、そうなのですか…」
しかし見ればどれも高そうな生地に繊細な刺繍の施されたドレスに見える。
ロレッタは一番地味そうな自分にどうにか似合いそうなドレスを選んだ。
「こ、これで…」
端にあったくすんだ茶色のドレスを指さすと…
「うーん…これではロレッタ様の魅力が半減してしまいます!ロレッタ様はこのお色が似合うかと…」
そういうとエミリーは空の様に澄んだ蒼のドレスを取り出した。
「そ、それは…」
私の好きな色…
よくこの色のドレスを着ていたが妹のレミリアに欲しいと言われて取られてしまったのだ。
しかも自分が着るからと私がこの色を着ることを止めるように言われていた。
「これは…私には似合わない…です」
ロレッタはそんな苦い思い出のドレスから顔を逸らした。
「いいえ、ロレッタ様の美しく澄んだ白い肌の色とそのブロンドの髪の色にとてもよくお似合いですよ」
エミリーさんが笑ってドレスを差し出す。
そして自分の前に合わせると鏡でその様子を見せてくれた。
「綺麗…」
ドレスの綺麗な色に思わず声が出てしまった。
「ええ、とても綺麗でお似合いです」
エミリーさんの笑顔に負けて私はそのドレスを身につける事にした。
その行為にフレッド王子がムッと顔を顰める。
「王子、いい大人がそのくらいで拗ねないでください!ほら、ロレッタ様を運びに来たのならさっさとお願い致します。早くしないとロレッタ様が風邪を引いてしまいますからね!」
「わかった…」
フレッド王子はシーツに絡まるロレッタごと軽々と抱き上げると湯浴みの用意された部屋へと向かった。
「お、王子!王子にそのようなこと…私自分で歩けますから!」
「本当か?先程は腰が砕けたようになっていたぞ…こんな風に…」
王子はロレッタを支える背中の手をサラッとなぞるように動かした。
「んっ…」
するとロレッタからの思わぬ甘い声にビクッと反応して止まってしまった。
「お、王子…」
ロレッタは更に力が抜けてしまい…王子の服にしがみついた。
そして王子を見上げると…
「今はすべきでは無かった…すまない」
ロレッタは王子の様子に首を傾げていると、そのまま湯の張った浴槽にそっと降ろされた。
「じゃああとは頼む…」
王子は少し前かがみになりながらエミリーさんに声をかけて部屋を早足に出ていってしまった。
「王子は大丈夫でしょうか…私は何か不快にさせたのかも…」
心配になってエミリーさんに聞いてみた。
「大丈夫です。ロレッタ様は何も悪くありませんよ…それに私今のでさらにロレッタ様が好きになりました。この国きた経緯は酷いものですがどうかこの国で幸せになってくださいませ…」
エミリーさんのあたたかい言葉にロレッタは少し寂しそうに笑ってお礼を言った。
「ありがとう…」
でもその資格も価値も私にはないの…と申し訳なさそうに顔を下に向けた。
エミリーさんは何も聞かずに私の体を丁寧に洗ってくれると優しく髪を整えてくれた。
「仕上げに香料を塗りましょうね!王子の好きな香りにしておきます」
「はい…」
ロレッタはされるがまま大人しくしていた。
「では服ですが今色々と仕立てて貰ってますので今日はここにあるので我慢して貰えますか?」
そういうとクローゼットから色とりどりのドレスを出した。
「仕立てる?い、いえ!私は持ってきたドレスが数枚ありますのでそれで…私にお金など使わないでください」
ただでさえ借金で売られたのに更に借金を増やす行為など出来なかった。
「それは王子からのプレゼントですのでお気になさらずに…ここの服もそんなに高いものではありませんので大丈夫ですよ」
「そ、そうなのですか…」
しかし見ればどれも高そうな生地に繊細な刺繍の施されたドレスに見える。
ロレッタは一番地味そうな自分にどうにか似合いそうなドレスを選んだ。
「こ、これで…」
端にあったくすんだ茶色のドレスを指さすと…
「うーん…これではロレッタ様の魅力が半減してしまいます!ロレッタ様はこのお色が似合うかと…」
そういうとエミリーは空の様に澄んだ蒼のドレスを取り出した。
「そ、それは…」
私の好きな色…
よくこの色のドレスを着ていたが妹のレミリアに欲しいと言われて取られてしまったのだ。
しかも自分が着るからと私がこの色を着ることを止めるように言われていた。
「これは…私には似合わない…です」
ロレッタはそんな苦い思い出のドレスから顔を逸らした。
「いいえ、ロレッタ様の美しく澄んだ白い肌の色とそのブロンドの髪の色にとてもよくお似合いですよ」
エミリーさんが笑ってドレスを差し出す。
そして自分の前に合わせると鏡でその様子を見せてくれた。
「綺麗…」
ドレスの綺麗な色に思わず声が出てしまった。
「ええ、とても綺麗でお似合いです」
エミリーさんの笑顔に負けて私はそのドレスを身につける事にした。