きっと忘れない
いとこ
徹平(てっぺい)君と付き合って5年が経ち、わたしたちは20歳になっていた。

わたしと徹平君は、高校を卒業すると、同棲を始めた。

実家には中学を卒業してから、全く顔を出していない。

「璃瑠花(りるは)、どうかした?」

徹平君はわたしを不思議そうに見ている。

「え?」

「⋯遠くを見て、ボーッとしているから」

「なんでもないよ」

「なんでもないわけないやろ!」

徹平君の大きな声に、わたしはびっくりする。

「高校生の時から、時々、璃瑠花は悲しい顔をしている。
⋯なんで?」

「徹平君、ほんとになんでもないの」

「⋯そっか、わかった」

徹平君は、多分納得はしてないだろうが、頷いた。
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