きっと忘れない
「あれ、りるちゃん、どうしたの?」

「⋯⋯⋯て」

「え?」

「帰って!!」

「璃瑠花、どうしたんだよ!」

徹平君は慌てる。

「もしかして赤ちゃんの話、しちゃいけなかった?」

海咲は悪ぶれもせず、言う。

「もう帰ってよ!」

パニックになったわたしは、それしか言えなかった。

「ごめんね、海咲ちゃん。
璃瑠花、なんか朝から体調よくなかったんだ⋯」

「そうなんだ⋯。
わかった、今日は帰るね」

海咲と海音ちゃんは帰って行った⋯。

「璃瑠花、怒るところじゃなかったよ」

海咲たちが帰った後、静かに徹平君は言う。

もう隠せない⋯。

わたしは全てを徹平君に言おうと思った⋯。
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