きっと忘れない
行為が終わると、少し怖い顔で、お父さんは、

「この事はお母さんに言うなよ」

と言った。

わたしは頷くしか出来なかった。

優しいお母さん。

大好きなお母さんを、悲しませたくなかった。

それからと言うもの、お母さんが夜勤でいない日はわたしはお父さんに犯された。

お父さんは避妊してくれなかった。

避妊しない方が気持ちいいって理由だった。

わたしも行為に慣れた頃、

「あなたたち、わたしに隠している事ない?」

お母さんに聞かれた。

「何言ってるんだよ、なぁ?」

「いいのよ、怒ってないから」

「⋯⋯え?」

思わず、声が出る。
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