白鳥に魅入られる

今日は女学院を一日サボり、ヤマトタケルに手を引かれてあちこちのお店に連れて行かれた。そこで、一度も買ってもらったことのない可愛らしい振袖や着物や袴、そして下駄や編み上げブーツや髪飾り、さらには化粧品までたくさん買ってもらったのである。

「ここの端から端まで全部ちょうだい！」

ヤマトタケルはそう言い、どこからか大金をポンと出してしまうので、ましろはその度に「こんなに必要ありません！」と真っ青な顔をしながら止めたのだが、ヤマトタケルはそれを無視して買っていくのだ。

「俺が買いたいからいいの〜！ほら、これ一回着せてもらいなよ。この色もすごくましろに似合うと思うんだけど？」

ヤマトタケルはましろの断りは一切聞かず、そのおかげで二人では持ちきれないほどの荷物ができてしまった。だがその荷物は全て、どこからかやって来た顔立ちの美しい使用人が持って屋敷まで運んでくれている。ヤマトタケルが雇っている使用人たちらしい。

「ましろ？こ、こちらの方は？」