白鳥に魅入られる
ヤマトタケルの整った唇がゆっくりと動き、言葉が紡がれる。

「絶対に、お前を俺のものにするからね」



ヤマトタケルがいるおかげでましろはお嬢様らしくおしゃれを楽しむことができ、同時に周りの人からの視線も軽蔑したようなものではなくなり、話しかけてもらえることも増えた。

「ヤマトタケル様、今日は同じクラスの方にお茶会に誘っていただけたんです」

前は地味な見た目のせいで話しかけてくる人など誰もいなかったため、人の輪に入ることができるのがましろは嬉しく、女学院から帰るとヤマトタケルにいつもその日あった出来事を報告するようになっていた。

「俺の全力のプロデュースのおかげだな!ましろ、本当に綺麗になったから。俺も嬉しいよ」

ヤマトタケルは優しげな目を向け、ましろの頭に彼の手がポンと触れる。刹那、腕を引かれてましろはヤマトタケルの腕の中に閉じ込められてしまった。

「ヤ、ヤマトタケル様……!」
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