白鳥に魅入られる
「あ〜、その反応やっぱりいいね。こっちの方が可愛い。いじめたくなる」

ヤマトタケルがニコニコしながらましろの首筋などに触れ、そのくすぐったい感覚に体を震わせながらましろは「どういうことですか?」と訊ねる。

「お前の姉貴、すごいベタベタしてくるんだよね。それが嫌でさぁ。やっぱり同じ姉妹でも、ましろの方が可愛い」

「ヤマトタケル様!は、離してください!」

神とはいえ、異性から褒められたことのないましろは恥ずかしさの方が勝り、ヤマトタケルの胸板を押して腕の中から脱出する。だが、ようやく離れたと思うとまた距離を詰められ、額に唇を落とされた。

「なっ……!」

ましろの顔が真っ赤に染まっていく。それを見たヤマトタケルは揶揄うようにニヤついていた。

「ましろ、欧州の方じゃキスやハグは挨拶なんだよ?」

「ここは欧州じゃなく、亜細亜の日本ですよ!」

真っ赤な顔でましろが言い返し、「可愛い可愛い」と言いながらヤマトタケルがニヤニヤする。その時、部屋のドアがノックされた。
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