白鳥に魅入られる
「そうだな、召使いと何ら変わらん。お前なんて私の娘ではない。家の恥だ」

「ほんと、何でこんなにも可愛くないのかしら。生まなきゃよかったわ」

父と母からもチクチク言われながら、ましろは自分の椅子へ座る。三人はまるで王族が腰掛けるような立派なものだが、ましろの椅子は古びた木造のものだ。そして、ましろの目の前に置かれた薄汚れた皿には、残飯が山のように積まれている。

「お前みたいな穀潰しには、その飯がお似合いだろう」

「汚いね、存在そのものが」

「こんなの妹とか、私の人生最悪！」

悪口を言われ、残飯を皿に盛られ、使用人にさえ無視される。これがましろの毎日だ。姉の方が可愛らしく優秀なため、いつからかましろは区別されて育てられてきた。

姉は綺麗な着物や袴が揃えられ、部屋もヨーロッパから取り寄せたロココ調の家具が揃えられている。習い事もたくさんさせてもらい、多くの人に囲まれている。ましろは何も与えられず、姉とは真逆だ。
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