おとぎ物語
物語
ピピピピピピ……
携帯のアラームが鳴る。
私は、ハッとしてアラームを止めた。
私は、何をしていたんだっけ?
眠ってはいなかった。
が、覚えていない。
何だったのだろうか……
時刻は5時半。私は着替えて家を出る。
「行ってきます……あ。」
……家には誰もいないのに。つい癖で言ってしまう。
私は激しく後悔しながらも街を歩く。まだ6時にもなっていないのに。
唯、誰もいない家にいるのが嫌だった。
行く宛は、ない。