先生と私の三ヶ月
6話 好きな人
パリ滞在2日目の朝、ホテルから恵理さんに電話すると、「凱旋門はわかる?」と聞かれて「わかります」と答えたら、凱旋門前が待ち合わせ場所となった。時間は午後3時。
時間ぴったりに凱旋門前で恵理さんを持っていると、ライトグレーのパンツスーツ姿の恵理さんがカッコよく歩いて来た。モンサンミッシェルに送り出してくれた時に会った家庭的な雰囲気の恵理さんと別人のようでびっくり。
「今日子ちゃん、中途半端な時間になっちゃってごめんね。本当はランチを一緒にと思ったんだけど、今日は外せない会議があって」
申し訳なさそうに謝る恵理さんに、忙しい中、私の為に時間を作ってくれたのかと思うと、むしろこっちが申し訳なく感じる。
「いいえ。私の方こそすみません。服装も相変わらずこんなだし」
私は日本から着てきたTシャツにジーパン姿だ。ホテルで洗濯はしてあるから綺麗だけど。
「今日子ちゃん、靴が素敵になったわね」
恵理さんがローズレッド色のパンプスに気づいてくれる。
さすがにボロボロなスニーカーは恥ずかしかったので、昨夜先生に頂いたものを履いて来た。
「Tシャツ、ジーパンには合わないと思ったのですが、これしかいい靴を持っていなくて」
「そんな事ないわよ。素敵なコーディネートよ」
恵理さんが微笑んでくれる。恵理さんの親しみのある笑顔にほっとする。今日で恵理さんと会うのはまだ二回目だけど、昔からの友人みたいな気がする。
「じゃあ、行こっか」
恵理さんが歩き出した。
時間ぴったりに凱旋門前で恵理さんを持っていると、ライトグレーのパンツスーツ姿の恵理さんがカッコよく歩いて来た。モンサンミッシェルに送り出してくれた時に会った家庭的な雰囲気の恵理さんと別人のようでびっくり。
「今日子ちゃん、中途半端な時間になっちゃってごめんね。本当はランチを一緒にと思ったんだけど、今日は外せない会議があって」
申し訳なさそうに謝る恵理さんに、忙しい中、私の為に時間を作ってくれたのかと思うと、むしろこっちが申し訳なく感じる。
「いいえ。私の方こそすみません。服装も相変わらずこんなだし」
私は日本から着てきたTシャツにジーパン姿だ。ホテルで洗濯はしてあるから綺麗だけど。
「今日子ちゃん、靴が素敵になったわね」
恵理さんがローズレッド色のパンプスに気づいてくれる。
さすがにボロボロなスニーカーは恥ずかしかったので、昨夜先生に頂いたものを履いて来た。
「Tシャツ、ジーパンには合わないと思ったのですが、これしかいい靴を持っていなくて」
「そんな事ないわよ。素敵なコーディネートよ」
恵理さんが微笑んでくれる。恵理さんの親しみのある笑顔にほっとする。今日で恵理さんと会うのはまだ二回目だけど、昔からの友人みたいな気がする。
「じゃあ、行こっか」
恵理さんが歩き出した。