先生と私の三ヶ月
　2日ぶりの先生だ。

「先生、あの、私こそ、すみません」
　先生の甘い匂いがして胸がドキドキし出す。なんで先生に抱きしめられるとこんなに嬉しいんだろう。

「いや、今のは俺が悪かった。ガリ子、おいで」
　先生に誘われて、お盆を持ったまま書斎に入った。

「先生、食事はちゃんと取って下さいよ」
「そうだな。ガリ子がせっかく作ってくれたんだし、いただくよ」
　私の手からお盆を取り上げると、先生が本でいっぱいのテーブルの上にお盆を置いた。

「作り直して来ましょうか。時間が経っているし」
「これでいいよ。フレンチトーストか。うまそうだな」
　先生がお皿のラップをとり、フォークとナイフを手にした。

「あ、コーヒー淹れて来ます」
　部屋から出て行こうとしたら、腕を掴まれた。

「あそこに電気ケトルがある。マグカップも、インスタントコーヒーの粉もあるぞ。だから、ここにいろ」
　甘えるような目で先生がこっちを見た。行かないで欲しいとその目に書いてあるようで、胸がキュンとする。先生、なんか可愛い。

「わかりました。この部屋でコーヒー淹れます」
　満足したように先生が頷いた。
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