先生と私の三ヶ月
「チーズハンバーグか。うまそうだな」
ダイニングテーブルの上のお昼ご飯を見て先生が言った。ちょっと後ろめたい。ハンバーグの焦げた部分を取り覗いて、それを誤魔化す為にチーズをのせてオーブンで焼いたものだ。
「ガリ子が焦がしたからチーズハンバーグになっちゃったんだよね」
先生の隣に座っていた流星君が無邪気な笑顔を浮かべた。
「こら、流星。内緒だって言ったでしょ!」
先生の向かい側に座っていた真奈美さんが注意した。
「葉月さん、ハンバーグ焦がしちゃったんですか」
真奈美さんの隣の黒田さんはしげしげとハンバーグを見つめる。
「す、すみません。うっかりしていて。焦げた部分はちゃんと取りましたから。何かあったら呼んで下さい。では皆さん、ごゆっくり」
ダイニングから立ち去ろうとしたら、「どこに行くんだ」と先生に引き止められた。
「キッチンへ。洗い物とかありますから」
「昼ご飯は?」
「キッチンで食べようかと」
「ここで食え」
「ご家族の食卓の邪魔では」
「何、遠慮してるんだ。ガリ子は俺の隣に座れ」
流星くんが座っていない方の右隣の席を先生が見た。
「そうよ。葉月さん、一緒に食べましょう。洗い物なら私も手伝うから」
真奈美さんにも促され、私も食卓につく事になった。家族の一員にしてもらえたようで嬉しい。
右隣の席に私が座ると、先生が微笑んだ。
それからみんなでいただきますと手を合わせて、お昼ご飯に手をつけた。今日のメニューはサラダ、コーンポタージュスープ、バターロール、チーズハンバーグだった。
「このバターロール、ふわふわでおいしい! 葉月さん、手作りなの?」
真奈美さんが褒めてくれた。
「はい。さっきオーブンで焼いたばかりです」
「へえー、手作りパンですか。葉月さんは本当に家事に万能なんですね」
黒田さんが感心するようにキツネ色に焼けたバターロールを見つめた。
「好きなんです。パンを作ったりするのが」
「ガリ子が来てから、かおる美味しいものが食べられて幸せだって言ってたね」
流星くんが言った。
「流星、余計な事言うな」
先生が照れくさそうな顔をした。それを見てみんなで笑った。
こんな風に大勢で楽しく食べる食卓は久しぶり。なんかいいな。
ダイニングテーブルの上のお昼ご飯を見て先生が言った。ちょっと後ろめたい。ハンバーグの焦げた部分を取り覗いて、それを誤魔化す為にチーズをのせてオーブンで焼いたものだ。
「ガリ子が焦がしたからチーズハンバーグになっちゃったんだよね」
先生の隣に座っていた流星君が無邪気な笑顔を浮かべた。
「こら、流星。内緒だって言ったでしょ!」
先生の向かい側に座っていた真奈美さんが注意した。
「葉月さん、ハンバーグ焦がしちゃったんですか」
真奈美さんの隣の黒田さんはしげしげとハンバーグを見つめる。
「す、すみません。うっかりしていて。焦げた部分はちゃんと取りましたから。何かあったら呼んで下さい。では皆さん、ごゆっくり」
ダイニングから立ち去ろうとしたら、「どこに行くんだ」と先生に引き止められた。
「キッチンへ。洗い物とかありますから」
「昼ご飯は?」
「キッチンで食べようかと」
「ここで食え」
「ご家族の食卓の邪魔では」
「何、遠慮してるんだ。ガリ子は俺の隣に座れ」
流星くんが座っていない方の右隣の席を先生が見た。
「そうよ。葉月さん、一緒に食べましょう。洗い物なら私も手伝うから」
真奈美さんにも促され、私も食卓につく事になった。家族の一員にしてもらえたようで嬉しい。
右隣の席に私が座ると、先生が微笑んだ。
それからみんなでいただきますと手を合わせて、お昼ご飯に手をつけた。今日のメニューはサラダ、コーンポタージュスープ、バターロール、チーズハンバーグだった。
「このバターロール、ふわふわでおいしい! 葉月さん、手作りなの?」
真奈美さんが褒めてくれた。
「はい。さっきオーブンで焼いたばかりです」
「へえー、手作りパンですか。葉月さんは本当に家事に万能なんですね」
黒田さんが感心するようにキツネ色に焼けたバターロールを見つめた。
「好きなんです。パンを作ったりするのが」
「ガリ子が来てから、かおる美味しいものが食べられて幸せだって言ってたね」
流星くんが言った。
「流星、余計な事言うな」
先生が照れくさそうな顔をした。それを見てみんなで笑った。
こんな風に大勢で楽しく食べる食卓は久しぶり。なんかいいな。