先生と私の三ヶ月
10話 デート
気づくと9月の半分が過ぎていた。
純ちゃんと離婚してからのこの一ヶ月、余計な事を考えないようにアシスタントの仕事に没頭した。
広い家を精一杯磨き、庭の手入れもした。お客さんが来た日は、普段以上に手の込んだ料理も作った。
流星君と真奈美さんもよく遊びに来てくれて、私も家族の団らんにいれてもらった。先生が書斎で小説に没頭している時も一人にはならなかった。もしかしたら先生が私を一人にしないようにしてくれていたのかもしれない。
純ちゃんと暮らした中野のマンションの整理もした。私の荷物は全部、千葉の実家に送った。
両親が亡くなってから誰も住んでいなかったけど、将来的には建て替えて純ちゃんと暮らすつもりでいたから手放さなかった。
手放さなくて良かった。帰る場所があるって大事だ。離婚してみてつくづく感じる。そんな話を昼食後のコーヒーを飲みながら、真奈美さんとしていたら、「お兄ちゃんのそばにいないの?」と聞かれた。
「ご主人と離婚した訳だし、アシスタントの仕事を辞める必要もないでしょう?」
確かに辞める理由はなくなった。
「今日子ちゃんはずっとこの家に住んでくれるんだと思っていたけど違うの?」
「えっ」
「だってお兄ちゃんとつき合っているんでしょ?」
「えぇっ!」
真奈美さんにまでそんな風に思われていたなんて。
「お兄ちゃんの事好きじゃないの?」
「いや、あの、先生の事はとても尊敬しております」
いざ聞かれると胸がどきどきしてくる。
純ちゃんと離婚してからのこの一ヶ月、余計な事を考えないようにアシスタントの仕事に没頭した。
広い家を精一杯磨き、庭の手入れもした。お客さんが来た日は、普段以上に手の込んだ料理も作った。
流星君と真奈美さんもよく遊びに来てくれて、私も家族の団らんにいれてもらった。先生が書斎で小説に没頭している時も一人にはならなかった。もしかしたら先生が私を一人にしないようにしてくれていたのかもしれない。
純ちゃんと暮らした中野のマンションの整理もした。私の荷物は全部、千葉の実家に送った。
両親が亡くなってから誰も住んでいなかったけど、将来的には建て替えて純ちゃんと暮らすつもりでいたから手放さなかった。
手放さなくて良かった。帰る場所があるって大事だ。離婚してみてつくづく感じる。そんな話を昼食後のコーヒーを飲みながら、真奈美さんとしていたら、「お兄ちゃんのそばにいないの?」と聞かれた。
「ご主人と離婚した訳だし、アシスタントの仕事を辞める必要もないでしょう?」
確かに辞める理由はなくなった。
「今日子ちゃんはずっとこの家に住んでくれるんだと思っていたけど違うの?」
「えっ」
「だってお兄ちゃんとつき合っているんでしょ?」
「えぇっ!」
真奈美さんにまでそんな風に思われていたなんて。
「お兄ちゃんの事好きじゃないの?」
「いや、あの、先生の事はとても尊敬しております」
いざ聞かれると胸がどきどきしてくる。