先生と私の三ヶ月
蓮の葉が池一面に生い茂る平家池の方に来ると新しそうなカフェがあった。カフェの前で立ち止まると、先生が入るか? と聞いてくれたので、頷いた。
中は冷房が効いていて涼しい。
平家池がよく見えるカウンター席に先生と並んで座った。
スマホを見るともう11時を過ぎていて驚いた。まだ本宮までたどり着いていないのに、こんな時間になっているとは。楽しい時間は過ぎるのが本当に早い。
「もうこんな時間なんだな」
同じ事を思ったのか、腕時計を見ながら先生が言った。
「私たち本宮までたどり着けるんですかね?」
「いつかたどり着けるさ」
全然慌てていない先生の言葉が面白い。
純ちゃんだったらこんな返事は絶対になかった。予定通りに進まないといつも怒られていた気がする。
「昼は小町通りの店でと思っていたが、食べて行くか?」
メニューの鯛茶漬け膳の写真に釘付けになっていると、先生に言われた。
「予定を変えていいんですか?」
「別に構わない。特に店を予約している訳じゃないから。今日は鎌倉でぶらっと過ごすぐらいしか決めていないしな」
合わせてもらえるのが凄く新鮮。純ちゃんと一緒の時はいつも純ちゃんの行きたいお店しか行っていなかった。
なんか先生に大事にされている気がする。
嬉しくてじんわり涙が浮かぶと、何で泣くんだと先生がちょっと焦ったように言い、ハンカチで涙を拭いてくれた。
「すみません。私、こんな風に大事にされた事なくて」
「じゃあ、これからはこれが当たり前になるな」
「これから?」
「俺とのデートは今日だけじゃないって事だ」
また感動して泣きそうになった。大好きな先生に優しい事ばかり言われて幸せだ。
中は冷房が効いていて涼しい。
平家池がよく見えるカウンター席に先生と並んで座った。
スマホを見るともう11時を過ぎていて驚いた。まだ本宮までたどり着いていないのに、こんな時間になっているとは。楽しい時間は過ぎるのが本当に早い。
「もうこんな時間なんだな」
同じ事を思ったのか、腕時計を見ながら先生が言った。
「私たち本宮までたどり着けるんですかね?」
「いつかたどり着けるさ」
全然慌てていない先生の言葉が面白い。
純ちゃんだったらこんな返事は絶対になかった。予定通りに進まないといつも怒られていた気がする。
「昼は小町通りの店でと思っていたが、食べて行くか?」
メニューの鯛茶漬け膳の写真に釘付けになっていると、先生に言われた。
「予定を変えていいんですか?」
「別に構わない。特に店を予約している訳じゃないから。今日は鎌倉でぶらっと過ごすぐらいしか決めていないしな」
合わせてもらえるのが凄く新鮮。純ちゃんと一緒の時はいつも純ちゃんの行きたいお店しか行っていなかった。
なんか先生に大事にされている気がする。
嬉しくてじんわり涙が浮かぶと、何で泣くんだと先生がちょっと焦ったように言い、ハンカチで涙を拭いてくれた。
「すみません。私、こんな風に大事にされた事なくて」
「じゃあ、これからはこれが当たり前になるな」
「これから?」
「俺とのデートは今日だけじゃないって事だ」
また感動して泣きそうになった。大好きな先生に優しい事ばかり言われて幸せだ。