先生と私の三ヶ月
【タイトル】
 今日子
【目次】
 1.20人目のアシスタント
 2.夜中のコンビニ
 3.ベンツで200キロ走った女
 4.モンサンミッシェルでの再会
 5.パリ
 6.酔っ払た君と本当の気持ち
 7.君との意外なつながり。
 8.君の決断とシャンパン
 9.鎌倉
 10.君への隠し事
 11.別れと後悔
――――――――――
 目次も上原さんが持って来た小説と違う。
 これは一体どういう事?

 驚いて原稿から顔を上げると、先生が照れくさそうな笑みを浮かべた。

「これは偽りのない俺たちの物語だ。読んで欲しい。そこに書かれている男の気持ちは全て本物だから」

 震える指で表紙をめくった。

 ――――「本文」―――――
 絶望の底にいた俺の所に、ある日、瘦せっぽちの君がやって来た。
 灰色のパンツスーツ姿で、メタルフレームの眼鏡をかけた君は真面目そうで、つまらない人間に見えた。
 君は俺に恋愛小説を書かせる為に白田が連れて来た20人目のアシスタントだった。
 君が一番、ヒロインには向いていない子だと思ったよ。
 白田はついに諦めたのだと思った。
 だから、俺は今までの19人のアシスタントと同じように追い出してやろうとした。 
――――――――
 主人公の俺は先生で、白田って、黒田さん?
 それで20人目の真面目そうなアシスタントは私の事?

 先生の言う通り、これは今までの私と先生の話が元になっているんだ。
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