先生と私の三ヶ月
「ところで流星君、ジュース飲みに来たの?」
「手伝いに来た。カレー作るんでしょ?」
 手伝いだなんて、可愛い事言うのね。

「いいのよ。お料理はお姉ちゃんの仕事だから。流星君はゆっくりしていて。幼稚園で疲れたでしょう?」

 流星君がブンブン頭を左右に振った。

「いつもママの手伝いしてるからやるよ」
 慣れた感じで、私の隣に流星君が踏み台を持ってくる。

「ガリ子、何したらいい? ニンジン切ろうか?」
 踏み台の上に乗った流星君がこっちを見た。

 流星君の言い方が望月先生みたいで面白い。それにやっぱり雰囲気が先生に似ている。だからなのか、出会ったばかりなのに親近感を感じる。

「流星くんはいつもママを手伝ってるの?」
「うん。うち、ぼしかてーだからさ。ママを助けるのは当たり前だってかおるに言われてるんだ」

 母子家庭という事は流星君の家にはお父さんがいないのか。やっぱり先生がお父さんだから? そうだとしたらなんで一緒に暮らしていないんだろう? もしかして、流星君のママは先生の恋人じゃなくて、元彼女とか?
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