【プロット】悪役令嬢（代理）精一杯勤めさせていただきます！

【冒頭部分プロット】

【第一話】
貧乏伯爵家の娘アリシアは現在十六歳。同じく十六歳になる遠縁の公爵令嬢エリザベスの話し相手にと望まれ、ペットを連れて辺境にある領地から王都へとやってくる。
しかし、そこで見たのは青い顔で床に伏せっているエリザベスと、半泣きの公爵。あっけにとられたアリシアは、その公爵から「エリザベスの身代わりになって欲しい」と頼まれる。
話を聞けば、本人は「前世を思い出した、このままでは一族郎党失脚して処刑される未来しかない」言って倒れてしまったらしい。
第一王子ジュリアンの婚約者でもあるエリザベスは、政略的な事情からその座を降りることができず、不在にすることも許されない。話を聞いて同情したアリシアは、身代わりを引き受けることにする。

【第二話】
身代わり生活を了承したアリシアは、まず公爵令嬢にふさわしい所作を学ぶべく教師を付けられる。
それと同時に、エリザベスから「前世の記憶」についての話を聞く。
彼女の話によれば、ここは「乙女ゲームの世界」らしい。エリザベスは自分を「悪役令嬢」だと言い、「聖女」が現れてジュリアンと恋仲にならなければ、この国が滅びてしまうと言う。その過程で、エリザベスは二人の恋の障害として立ちはだかり、やがて聖女を害そうとした罪で処刑されるのだと。
さすがに眉唾ものだと思うアリシア。だが、エリザベスの目は真剣だ。
「処刑されるのは嫌。けど、聖女がジュリアンと恋に落ちなければこの国が滅びるの」
そう言って泣くエリザベスを見かね、アリシアは打開策を考えようと提案する。

【第三話】
ようやく迎えた学園初登校の日。慣れない環境に疲れたアリシアは、裏庭に逃げ込む。
少しだけ落ち着いたら教室に戻ろう、と思ったとき、先客の青年の存在に気付く。
昼寝中らしきその青年の邪魔にならぬよう、そっと移動しようとしたアリシアだったが、そこでいつの間にか現れた自分のペットが唸る。何事かと顔を上げれば、物陰に潜む怪しい影が青年を狙っていた。
思わず青年をかばうアリシア。少し怪我をしたものの、ペットの活躍もあり無事に不審人物を撃退する。
だが、アリシアの助けたその青年こそ、エリザベスの婚約者ジュリアンだった。