夜明けを何度でもきみと 〜整形外科医の甘やかな情愛〜
内科医は浅川に好意を寄せていた。どこか全てを諦めたかのような彼女の儚さが心配で、なんとか繋ぎ止めておきたかった。
初めて当直医のバイトに来た日、病棟で患者の急変があり、呼ばれた時に夜勤だったのが浅川だった。次の指示をするよりも前に動ける彼女を純粋にすごいと思った。落ち着いていて行動に無駄がない。頼りになるナースだと思った。厳しい人なのかと思ったら患者との会話ではとても柔らかい笑みを浮かべる。そのギャップに惹かれた。
だから部屋に来ないかとこっそり誘われた時は驚いたし嬉しかった。肌を重ねてみれば強気な中にも少女のように恥じらう瞬間もあり、内科医は更に浅川に惹かれていった。だが彼女はその気持ちを解っていながら応えようとしてくれず、身体だけの関係が数年続いていた。
その浅川からの、この提案だった。自分を抱いた相手に、別の女を紹介するなどとんでもないと戸惑ったが、惚れた弱みで、受けた。