夜明けを何度でもきみと 〜整形外科医の甘やかな情愛〜
帰っていく招待客に一人一人と挨拶を交わす二人。総人数は少ないため、一人一人と少し話ができる。
菜胡の友人として来てくれた雅代の番が来た。棚原の持つカゴからドラジェを一つつまみ取って雅代に渡す。
「雅代ちゃん、来てくれてありがとう」
「菜胡きれいだよ、おめでとう。落ち着いたら連絡ちょうだいね」
棚原が隣から声を掛けた。
「これからも菜胡と遊んでやってください」
「もちろんです、どうか菜胡をよろしくお願いします」
雅代を見送り、振り向くと大原がいた。
「大原さんんんん」
一気に涙腺が崩壊した。持っていたハンカチで涙をそっと拭ってくれる大原は、そのまま菜胡を抱きしめた。
「やあね、こんなに泣き虫だったかしら! 花嫁さんしっかりしなさい。旦那さんと仲良くね。たまには遊びに来てちょうだい」
「はい、きっと行きます。ありがとうございました」
こうして、会いたかった人、お世話になった人に晴れ姿を見せる事ができ、たくさんの祝いの言葉を頂いて、二人の夫婦としての道が、この日はじまった。