例えば今日、世界から春が消えても。
とうとう此処が公共の場だという事をすっかり忘れた大和が、サッカーボールをテーブルに叩きつけながら大声で宣言したものの。
「あの、すみません…。他のお客様もいらっしゃいますので、少々お静かにお願いします…」
あろう事か、店員さんに注意されたせいでしゅんとなり、その場に縮こまっていた。
「とりあえず、この話は一旦保留ね。私が見てもらいたいのは、3つ目のやりたいことだから」
店員さんのおかげで場の空気が切り替わった後、えへんと咳払いをしたさくらが新たに付け足された一文を指さした。
彼女の左手と僕の右手は未だに繋がれていて、それがやけに僕の心をくすぐる。
『3: 大切な友達と、忘れられない思い出を作る』
ゆっくりとその一文を口にした僕は、そっと目線を上に上げた。
予想通り、元から大きな目を零れ落ちそうな程に見開いたエマと、彼女とまるで同じ表情をしている大和と目が合った。
「私の3つ目のやりたいことは、エマちゃんと大和君。出来れば2人に叶えて貰いたいんだよね」
少し恥ずかしそうに俯くさくらに、2人は息ぴったりに何度も頷く。
「サクちゃんの為なら、何だってするよ」
「俺も」
2人の強い意思が感じられる言葉を聞いた彼女は彼らをじっと見つめ、心底嬉しそうに唇に笑みを浮かべた。
「あの、すみません…。他のお客様もいらっしゃいますので、少々お静かにお願いします…」
あろう事か、店員さんに注意されたせいでしゅんとなり、その場に縮こまっていた。
「とりあえず、この話は一旦保留ね。私が見てもらいたいのは、3つ目のやりたいことだから」
店員さんのおかげで場の空気が切り替わった後、えへんと咳払いをしたさくらが新たに付け足された一文を指さした。
彼女の左手と僕の右手は未だに繋がれていて、それがやけに僕の心をくすぐる。
『3: 大切な友達と、忘れられない思い出を作る』
ゆっくりとその一文を口にした僕は、そっと目線を上に上げた。
予想通り、元から大きな目を零れ落ちそうな程に見開いたエマと、彼女とまるで同じ表情をしている大和と目が合った。
「私の3つ目のやりたいことは、エマちゃんと大和君。出来れば2人に叶えて貰いたいんだよね」
少し恥ずかしそうに俯くさくらに、2人は息ぴったりに何度も頷く。
「サクちゃんの為なら、何だってするよ」
「俺も」
2人の強い意思が感じられる言葉を聞いた彼女は彼らをじっと見つめ、心底嬉しそうに唇に笑みを浮かべた。