例えば今日、世界から春が消えても。
「それでね、冬真君」
「…えっ?僕?」
満足そうに頷いたさくらが急に僕の名を呼んだから、驚き過ぎて声が裏返った。
テーブルに置かれたままの手帳をパタリと閉じた彼女はくるりと僕の方を振り返り、笑う。
「冬真君、元々はサッカー部にいたって聞いたんだけど。私、サッカーのルール何にも知らないから、当日は冬真君に教えて貰いたくて…。良いかな?」
瞬間。
ドクン、と心臓が一際大きく波打ち、周りの景色が同じタイミングで揺れた。
これはサッカー云々のせいではなく、彼女が僕を必要としてくれている事に対する嬉しさから生まれている。
「…もちろん、僕で良ければ」
もう一生関わらないと思って居たサッカー界に、今度はさくらと共に足を踏み入れる事が出来るなんてこれ以上ない幸せだ。
一つ返事で了承した僕の右手に、再び熱い力が込められたのが分かった。
その後、さくらの3つ目の願いを叶えるという名目の下に一致団結した僕達は、さくらが口にした更なる小さな“やりたいこと”を全てノートに書き出す作業に追われた。
彼女が本当にやりたいことや叶えたい事は手帳に書いてもらうとして、僕達が書いたのは、彼女の限られた学校生活をいかに有意義に過ごすか、というプランのようなものだった。
「…えっ?僕?」
満足そうに頷いたさくらが急に僕の名を呼んだから、驚き過ぎて声が裏返った。
テーブルに置かれたままの手帳をパタリと閉じた彼女はくるりと僕の方を振り返り、笑う。
「冬真君、元々はサッカー部にいたって聞いたんだけど。私、サッカーのルール何にも知らないから、当日は冬真君に教えて貰いたくて…。良いかな?」
瞬間。
ドクン、と心臓が一際大きく波打ち、周りの景色が同じタイミングで揺れた。
これはサッカー云々のせいではなく、彼女が僕を必要としてくれている事に対する嬉しさから生まれている。
「…もちろん、僕で良ければ」
もう一生関わらないと思って居たサッカー界に、今度はさくらと共に足を踏み入れる事が出来るなんてこれ以上ない幸せだ。
一つ返事で了承した僕の右手に、再び熱い力が込められたのが分かった。
その後、さくらの3つ目の願いを叶えるという名目の下に一致団結した僕達は、さくらが口にした更なる小さな“やりたいこと”を全てノートに書き出す作業に追われた。
彼女が本当にやりたいことや叶えたい事は手帳に書いてもらうとして、僕達が書いたのは、彼女の限られた学校生活をいかに有意義に過ごすか、というプランのようなものだった。