例えば今日、世界から春が消えても。
1:定期試験前に一緒に勉強をする

2:放課後にお菓子パーティーをする

3:各自が食べ物を持ち寄って、お昼休みに屋上でピクニックをする

4:授業を1時間サボって、何でもいいから楽しいことをする

5:放課後に映画を見に行く

6:大和が壇上で一発ギャグを披露する

7:皆で沢山の写真を撮る


…等々、中には特定の人物が不平を漏らす案もあったものの、そのどれもがさくらにとって最高の思い出の一部になると断言出来るものばかりで。


白血病が再発し、年内は通院で耐え抜くと決断したさくらの伝えてくれた運命を信じ切った僕達は、彼女の為になる事は全て行う事を決意したんだ。




それからしばらくして、会計を済ませたエマと大和が外に出た直後、僕とさくらは手を繋いだままの格好で外に出た。


「私、歩きだからこっちから帰るね」


これも良いね、あれもしたいね、と、遠足に行くようなノリで話し込んでいたエマと大和、そして横に立つ僕に向かって、彼女は笑顔で話しかける。


「うん。また明日」


彼女が僕の手を離した事に少しの寂しさを覚えながら、僕はさくらから1歩離れた。


「今日は本当にありがとう。それと、急に驚かせてしまってごめんなさい。…私、これから沢山皆に迷惑掛けちゃうと思うけど」
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