例えば今日、世界から春が消えても。
ただの“持ちつ持たれつ”の関係で偽の恋人関係になった僕には、本当の彼氏になる資格はあるのだろうか。
そもそも、彼女は僕に対して恋愛感情を抱いているのか。
来年の3月で死んでしまう彼女に気持ちを伝えたところで、ただの迷惑に…。
色々と悲観的な考えがせめぎ合う中、
「“けど”?」
言葉に詰まった僕を責め立てるように、彼は僕の方へ歩幅を詰めた。
「ありもしない心配するなよ。…そうじゃなくても、お前は色んな事を諦めてきたよな。というより、諦めざるを得なかっただろうけど」
彼の言葉が何を意味しているのかなんて、一瞬で分かった。
彼は、僕が部活を辞めた原因について話しているんだ。
「これだけは絶対に諦めんな。お前の気持ちが固まってんなら、ガツンとシュート決めてこい」
大和の言葉は、優柔不断で自信のない僕を我に返すにはぴったりで。
「『プライドを捨てろ。でも、希望は捨てるな』って言葉、前にも言ったと思うけどさ」
今から追い掛けて伝えて来いよ、と、サッカー部の絶対的エースは眩しい笑みを浮かべて僕の背中を押す。
「…何があっても、希望だけは捨てるなよ」
「っ、…!」
バシン、と、背中に強い痛みが駆け巡る。
でも、それはただの痛みじゃなくて、応援の印だ。
「…ありがとう、大和」
そもそも、彼女は僕に対して恋愛感情を抱いているのか。
来年の3月で死んでしまう彼女に気持ちを伝えたところで、ただの迷惑に…。
色々と悲観的な考えがせめぎ合う中、
「“けど”?」
言葉に詰まった僕を責め立てるように、彼は僕の方へ歩幅を詰めた。
「ありもしない心配するなよ。…そうじゃなくても、お前は色んな事を諦めてきたよな。というより、諦めざるを得なかっただろうけど」
彼の言葉が何を意味しているのかなんて、一瞬で分かった。
彼は、僕が部活を辞めた原因について話しているんだ。
「これだけは絶対に諦めんな。お前の気持ちが固まってんなら、ガツンとシュート決めてこい」
大和の言葉は、優柔不断で自信のない僕を我に返すにはぴったりで。
「『プライドを捨てろ。でも、希望は捨てるな』って言葉、前にも言ったと思うけどさ」
今から追い掛けて伝えて来いよ、と、サッカー部の絶対的エースは眩しい笑みを浮かべて僕の背中を押す。
「…何があっても、希望だけは捨てるなよ」
「っ、…!」
バシン、と、背中に強い痛みが駆け巡る。
でも、それはただの痛みじゃなくて、応援の印だ。
「…ありがとう、大和」