例えば今日、世界から春が消えても。
そう判断した僕は、恐る恐る口を開いた。
「…やっぱり、そうだよね」
既に4枚目のティッシュに手を出していた彼女は、そっと僕の方を見つめて恥ずかしそうに笑う。
「ありがとう。保健室、一緒に来てくれる?」
「失礼しまーす、」
その後、僕はティッシュを手放せない彼女に肩を貸しつつ、1階にある保健室へ何とか辿り着いた。
ただ、何という不幸の巡り合わせか、今日は保健室の先生が一日中不在らしく。
「傷口と手洗ったら、そこの椅子座れる?絆創膏探してみる」
2人分の教科書と筆箱を机の上に置いた僕は、大和に授業に遅れる旨の連絡をした後に保健室内の引き出しを片っ端から開き始めた。
何せ保健室なんて利用した事がないし、何処に何かあるかなんて分かったものじゃない。
「ごめん、和田君」
背後から、申し訳なさそうにする飯野さんの小さな声が聞こえてきた。
「はい、絆創膏。サイズ色々あったんだけど、これで大丈夫だと思う」
その直後、すぐに絆創膏を発見した僕は、飯野さんがそれを膝に貼るのを横で見守っていた。
「ありがとう」
「うん」
彼女が水で洗い流した事で顕になった傷口は、想像していた通り浅いものだった。
傷口もそれ程目立つ場所にないし、ものの数日で治ってしまうだろう。
「…やっぱり、そうだよね」
既に4枚目のティッシュに手を出していた彼女は、そっと僕の方を見つめて恥ずかしそうに笑う。
「ありがとう。保健室、一緒に来てくれる?」
「失礼しまーす、」
その後、僕はティッシュを手放せない彼女に肩を貸しつつ、1階にある保健室へ何とか辿り着いた。
ただ、何という不幸の巡り合わせか、今日は保健室の先生が一日中不在らしく。
「傷口と手洗ったら、そこの椅子座れる?絆創膏探してみる」
2人分の教科書と筆箱を机の上に置いた僕は、大和に授業に遅れる旨の連絡をした後に保健室内の引き出しを片っ端から開き始めた。
何せ保健室なんて利用した事がないし、何処に何かあるかなんて分かったものじゃない。
「ごめん、和田君」
背後から、申し訳なさそうにする飯野さんの小さな声が聞こえてきた。
「はい、絆創膏。サイズ色々あったんだけど、これで大丈夫だと思う」
その直後、すぐに絆創膏を発見した僕は、飯野さんがそれを膝に貼るのを横で見守っていた。
「ありがとう」
「うん」
彼女が水で洗い流した事で顕になった傷口は、想像していた通り浅いものだった。
傷口もそれ程目立つ場所にないし、ものの数日で治ってしまうだろう。