あなたの妻になりたい
「でも、もう十年以上も前の話よ。飛竜は二年で成竜になると言われているものね。あなたがあのときの子であるはずはないわよね」
マイリスがぎゅっと子竜を抱き締めると、子竜は「キゥ」と声を出す。
「なんか。あなたになら、なんでも話せそうな気がしてきたわ……」
もしかして、先ほどランバルトの部屋で飲んだお茶の効果が出てきたのだろうか。
いや、違う。
ただ、人恋しかったのだ。話し相手が欲しかっただけ。だって、ランバルトは話をしても「ああ」か「そうか」しか答えてくれないから。
ここに来るときに、侍女すら連れてくることができなかった。全てこのプレトニバ王国の方で準備をするから、というのが理由。恐らく、マイリスが本当の妻ではなく仮妻として迎え入れられたからだろう、と今になって思う。
「ねえ、私の話し相手になってくださらない?」
マイリスが尋ねると、膝の上の子竜は「キゥキゥ」と首を縦に振りながら暴れていた。いいよ、と言っているのだろうか。
「嬉しいわ」
マイリスはもう一度子竜に頬を寄せた。
「ねぇ、あなたに名前をつけてもいい?」
マイリスがぎゅっと子竜を抱き締めると、子竜は「キゥ」と声を出す。
「なんか。あなたになら、なんでも話せそうな気がしてきたわ……」
もしかして、先ほどランバルトの部屋で飲んだお茶の効果が出てきたのだろうか。
いや、違う。
ただ、人恋しかったのだ。話し相手が欲しかっただけ。だって、ランバルトは話をしても「ああ」か「そうか」しか答えてくれないから。
ここに来るときに、侍女すら連れてくることができなかった。全てこのプレトニバ王国の方で準備をするから、というのが理由。恐らく、マイリスが本当の妻ではなく仮妻として迎え入れられたからだろう、と今になって思う。
「ねえ、私の話し相手になってくださらない?」
マイリスが尋ねると、膝の上の子竜は「キゥキゥ」と首を縦に振りながら暴れていた。いいよ、と言っているのだろうか。
「嬉しいわ」
マイリスはもう一度子竜に頬を寄せた。
「ねぇ、あなたに名前をつけてもいい?」