あなたの妻になりたい
「え?」
 驚いて、ランバルトに顔を向ける。彼は優しく彼女の瞳を覗き込む。
「君は、俺に対して我儘を言わない。もっと、君の我儘を聞きたい。本心を聞きたい」

「それは……。ランバルト様がランちゃんになってくださるなら、いいですよ」

「できれば、ランちゃんにではなく、俺に直接言って欲しいのだが……」
 そこでランバルトは、軽くマイリスの唇に、自身の唇を寄せた。離れるのが名残惜しいと思えるくらい。

「マイリスは、飛竜が好きなのだな。いつも見ているだろう? 父上が言っていた」
 あの飛竜が国王であること。それは昨夜聞いたこと。

「ランバルト様も、この国の国王となった日には、子竜から成竜へとその姿を変えるのですか?」

「そうだ。王位継承権を持つ者は、竜の姿をとることができる。だが、それも継承権が上位であればあるほど力は強く、そして継承権を失えばその力を失う」

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