あなたの妻になりたい
「今日はトロナのお茶を淹れますが、よろしいでしょうか」
「好きにしろ」
言い方は冷たいが、考えてみれば彼は「駄目だ」とは言わない。いつも「好きにしろ」としか言わない。そしてその「好きにしろ」と言うときでさえ、彼女を見ることは無いのだが。
なぜ目を合わせてくれないのか。
「どうぞ」
マイリスがランバルトの前にお茶をおけば、彼は黙ってそれを口元に運ぶ。そして、一口飲めば、また本に視線を戻す。その間、マイリスは必要な時間が過ぎるまで彼の隣にいる、というのが『二人の時間』の過ごし方なのである。
これは別に決められたものではない。ただ、なんとなくランバルトがそんなことを言い出して、そして断る理由が見つからないマイリスもそれを受け入れてしまった。どんな形であれ、彼の隣にいたいと、そう願うところがあったから。
「変わった香りがするな」
このようなことをランバルトが口にすることは珍しい。もしかして、これもお茶の効果なのだろうか、とマイリスはいい方に考えてしまう。
「好きにしろ」
言い方は冷たいが、考えてみれば彼は「駄目だ」とは言わない。いつも「好きにしろ」としか言わない。そしてその「好きにしろ」と言うときでさえ、彼女を見ることは無いのだが。
なぜ目を合わせてくれないのか。
「どうぞ」
マイリスがランバルトの前にお茶をおけば、彼は黙ってそれを口元に運ぶ。そして、一口飲めば、また本に視線を戻す。その間、マイリスは必要な時間が過ぎるまで彼の隣にいる、というのが『二人の時間』の過ごし方なのである。
これは別に決められたものではない。ただ、なんとなくランバルトがそんなことを言い出して、そして断る理由が見つからないマイリスもそれを受け入れてしまった。どんな形であれ、彼の隣にいたいと、そう願うところがあったから。
「変わった香りがするな」
このようなことをランバルトが口にすることは珍しい。もしかして、これもお茶の効果なのだろうか、とマイリスはいい方に考えてしまう。