夜と遊ぶ
お互い、シャワーを浴び、部屋の照明を消して暗くする。


けど、部屋一面の窓の外からの光で、明るい。


街のネオンもそうだけど、今夜は月の光が強い。


一夜は、バスローブ姿の私を窓に押し付ける。


この部屋は38階で、周りに視界を遮るものもない。


遠くに見える、赤いタワーがとても綺麗。


「今夜の真湖ちゃん、本当に綺麗だよ」


柔らかい眼差しで、私を見下ろす。


一夜のその少し垂れ目な所も、口角が少し上がった口も、大好き。


ゆっくりと、私にキスを落として来る。


キスする時に、少し邪魔な一夜の高い鼻も、本当に大好き。


一夜とは毎日一緒に居て、こうやって何度もキスだってしてるのに、慣れずに凄くドキドキとしてしまう。


今も、心臓がうるさい。


一夜は上から順番に私の体に触れバスローブを脱がすと、いつの間にか用意していたコンドームの包装を口で破り、
私の体を窓の方へと向かせた。


すぐに、一夜のものが私の後ろから入って来る。

「ん、あ…、んっ…」


腰を打ち付けられると、淫らな声が漏れてしまう。


快感で足に力が入らなくなるけど、それを支えるように一夜が私の腰を持ち上げるように掴む。



「真湖ちゃん…そんなに締め付けないで…」


一夜の動きに合わせて、厭らしく水音が室内に響く。


私はもう我慢出来なくて、高みに昇るその時に目を閉じた。


ネオンと月の光が、閉じた目に滲む。



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