夜と遊ぶ
「冷たいっ」
額に感じた、その冷たさ。
撃たれたはずの私の額からは、冷たい液体が垂れているけど。
それは、血ではないはず。
「真湖ちゃん、超ウケる」
一夜はケラケラと、笑っていて。
私は一体、何がなんだか分からない。
「真湖ちゃん、これよく見てよ?
水鉄砲。
車の中暗いし、俺が持ってるから本物だと思った?
車のドアポケットに置いてたの、思い出したんだよね」
相変わらず、一夜は笑っているけど、私はまだ笑える余裕なんてなくて。
今も恐くて、手と足が震えている。
「そっか。まだ真湖ちゃんは本物の拳銃は見た事ないか」
一夜の、その"まだ"という言葉。
「一夜、知ってたんだ…」
一体、一夜は何をどこまで知っているのだろうか?
きっと、何もかも知っているのだろうな。
「真湖ちゃんに何かあったら、綾瀬さんに申し訳ないから」
綾瀬、さん…。
一夜がそう口にしたのは、私のお父さんの事?
「ねぇ、私のお父さんは一夜達とどういう関係なの?
お父さんは、今、何処に居るの?!」
そう詰め寄り訊いた私に、一夜はもう笑っていなくて。
首を横に振った。
それは、どういう意味?
「真湖ちゃんのお父さん。綾瀬春樹(あやせはるき)さんは。
きっと、もう殺されている」
その言葉に、胸が潰されたように痛くなって、
目から涙が溢れて来た。
「お父さんが?嘘でしょ…。
一夜、一体何を知ってて、そんな事言うの!」
一夜の着ている、パーカーのトレーナーを、両手でギュッと掴んだ。
「知ってる、わけじゃないよ。
多分、殺されてる。
殺ったのは、ジュニアだと思う。
で、さっき話したように、骨も残ってないと思う」
一夜は再び、船内廃棄物の処理工場に目を向けている。
いつかの、あの焼肉屋での、この人と高崎さんの会話を思い出した。
"―― うちの組をしつこく嗅ぎ回っていた、あの警察官。
俺が言ったわけじゃないけど、ジュニアの方で消したんだろ?
最近、見ないから―"
額に感じた、その冷たさ。
撃たれたはずの私の額からは、冷たい液体が垂れているけど。
それは、血ではないはず。
「真湖ちゃん、超ウケる」
一夜はケラケラと、笑っていて。
私は一体、何がなんだか分からない。
「真湖ちゃん、これよく見てよ?
水鉄砲。
車の中暗いし、俺が持ってるから本物だと思った?
車のドアポケットに置いてたの、思い出したんだよね」
相変わらず、一夜は笑っているけど、私はまだ笑える余裕なんてなくて。
今も恐くて、手と足が震えている。
「そっか。まだ真湖ちゃんは本物の拳銃は見た事ないか」
一夜の、その"まだ"という言葉。
「一夜、知ってたんだ…」
一体、一夜は何をどこまで知っているのだろうか?
きっと、何もかも知っているのだろうな。
「真湖ちゃんに何かあったら、綾瀬さんに申し訳ないから」
綾瀬、さん…。
一夜がそう口にしたのは、私のお父さんの事?
「ねぇ、私のお父さんは一夜達とどういう関係なの?
お父さんは、今、何処に居るの?!」
そう詰め寄り訊いた私に、一夜はもう笑っていなくて。
首を横に振った。
それは、どういう意味?
「真湖ちゃんのお父さん。綾瀬春樹(あやせはるき)さんは。
きっと、もう殺されている」
その言葉に、胸が潰されたように痛くなって、
目から涙が溢れて来た。
「お父さんが?嘘でしょ…。
一夜、一体何を知ってて、そんな事言うの!」
一夜の着ている、パーカーのトレーナーを、両手でギュッと掴んだ。
「知ってる、わけじゃないよ。
多分、殺されてる。
殺ったのは、ジュニアだと思う。
で、さっき話したように、骨も残ってないと思う」
一夜は再び、船内廃棄物の処理工場に目を向けている。
いつかの、あの焼肉屋での、この人と高崎さんの会話を思い出した。
"―― うちの組をしつこく嗅ぎ回っていた、あの警察官。
俺が言ったわけじゃないけど、ジュニアの方で消したんだろ?
最近、見ないから―"