夜と遊ぶ
「だけど、加賀見会長の考えは変わらなかった。
いつか聖王会をぶっ潰してやると、俺と二人の時、よく溢してましたよ」
本当に、それは聖王会会長とは思えない言葉だけど。
それが、一夜の本心。
「聖王会会長の加賀見一夜の命には、価値がある。
うちとずっと折り合いの悪かった竜道会は、それを見逃すはずがない。
加賀見会長を殺れる絶好の機会」
「なんで、一夜は竜道会に、そうやって…」
何故、自ら誘い込んで殺されたのか?
「うち、加賀見会長の前に高崎も竜道会に殺られてるんですが、
それは、こちらも静観していたのですが、流石に、加賀見会長が殺られたとなると、うちも黙っていられない」
高崎さんも、殺されているの?
もしかしたら、もう永倉ジュニアも生きていないのだろうか?
「加賀見会長は、自分の死を呼び水にして、
聖王会と竜道会との全面抗争を起こすつもりなんですよ」
「抗争…?」
「まあ、昔とは違い、抗争といっても、真っ昼間からドンパチやるわけでも、事務所にカチコンだりとかもないですがね。
最近は下が捕まれば、指示した人間迄警察に引っ張られる。
だから、水面下で、相手のシマでシノギの邪魔をしたり、
こっそりと相手の組の人間を拐って、死体事綺麗に消して行くくらいでしょうね。
今から10年くらい掛けて、聖王会もそうですが、竜道会もそうやって力を削がれて行って……。
ただでさえ、今回、加賀見会長が亡くなり、後継者になりそうな鈴城は、暴力に秀でてるだけの、ボンクラで。
まあ、聖王会はこのまま終わりでしょう」
早瀬さんが言う事が、本当に一夜の考えていた事なら…。
なんだか、悲し過ぎる。
私と居た時も、一夜はずっといつかそうやって死ぬ事を考えていたのだろうか。
"――一夜も10年後、そんな私に釣り合うくらいもっと良い男になってるんじゃないの?――"
"―――うーん。それはないかな――"
あの温泉で、そう言った一夜はどんな気持ちだったのだろうか。
いつか聖王会をぶっ潰してやると、俺と二人の時、よく溢してましたよ」
本当に、それは聖王会会長とは思えない言葉だけど。
それが、一夜の本心。
「聖王会会長の加賀見一夜の命には、価値がある。
うちとずっと折り合いの悪かった竜道会は、それを見逃すはずがない。
加賀見会長を殺れる絶好の機会」
「なんで、一夜は竜道会に、そうやって…」
何故、自ら誘い込んで殺されたのか?
「うち、加賀見会長の前に高崎も竜道会に殺られてるんですが、
それは、こちらも静観していたのですが、流石に、加賀見会長が殺られたとなると、うちも黙っていられない」
高崎さんも、殺されているの?
もしかしたら、もう永倉ジュニアも生きていないのだろうか?
「加賀見会長は、自分の死を呼び水にして、
聖王会と竜道会との全面抗争を起こすつもりなんですよ」
「抗争…?」
「まあ、昔とは違い、抗争といっても、真っ昼間からドンパチやるわけでも、事務所にカチコンだりとかもないですがね。
最近は下が捕まれば、指示した人間迄警察に引っ張られる。
だから、水面下で、相手のシマでシノギの邪魔をしたり、
こっそりと相手の組の人間を拐って、死体事綺麗に消して行くくらいでしょうね。
今から10年くらい掛けて、聖王会もそうですが、竜道会もそうやって力を削がれて行って……。
ただでさえ、今回、加賀見会長が亡くなり、後継者になりそうな鈴城は、暴力に秀でてるだけの、ボンクラで。
まあ、聖王会はこのまま終わりでしょう」
早瀬さんが言う事が、本当に一夜の考えていた事なら…。
なんだか、悲し過ぎる。
私と居た時も、一夜はずっといつかそうやって死ぬ事を考えていたのだろうか。
"――一夜も10年後、そんな私に釣り合うくらいもっと良い男になってるんじゃないの?――"
"―――うーん。それはないかな――"
あの温泉で、そう言った一夜はどんな気持ちだったのだろうか。