夜と遊ぶ
「けど、真湖さん。
泣いたりしないんですね?
取り乱すかと思ってましたが」
「まだ、実感が湧かないんです。
一夜が死んだなんて」
まだ、何かの冗談なんじゃないかと、思う。
一夜が、死ぬなんて。
「そうですか」
早瀬さんはそう言うと、スーツのポケットからタバコを取り出し、それにライターで火を点け、吸い始めた。
私に気を使ったのか、運転席の窓を開けてくれた。
「早瀬さん、タバコ吸うんですね?」
「そうなんです。
加賀見会長がタバコ嫌いだから、車では吸わないようにしてたのですが」
もう、この車には一夜は乗らない。
「真湖さん、すみません。
加賀見会長を、止めなくて」
きっと、早瀬さんには早瀬さんの思いや考えがあったのだろう。
この人も、一夜のように大切な人を奪われて、聖王会が憎くて。
一夜と同じ、復讐者。
「こうやって私に全てを話せとは、一夜からは頼まれてないですよね?」
「そうですね…。余計な事だったかもしれません」
「いえ。ありがとうございます」
全てを知って辛いけど、
知れて良かったのかもしれない。
何故、一夜は死んだのか。
「早瀬さんは、一人でもまだ聖王会に復讐を続けるのですか?」
「いえ。
元々、俺は加賀見会長に誘われて組入りした事になっていて。
その時に、加賀見会長が組を抜ける時は、俺も抜けると聖王会の幹部達には話してました。
加賀見会長が居なくなった今、もう俺は聖王会を抜けます。
もしかしたら、加賀見会長を殺されて、一緒に竜道会を潰そうとか、誰かに引き留められるかもしれませんが。
辞めますよ。俺は」
「そうですか」
きっと、それを一夜も望んでいるような気がした。
早瀬さんには、これからは表の世界で生きて欲しいと。
泣いたりしないんですね?
取り乱すかと思ってましたが」
「まだ、実感が湧かないんです。
一夜が死んだなんて」
まだ、何かの冗談なんじゃないかと、思う。
一夜が、死ぬなんて。
「そうですか」
早瀬さんはそう言うと、スーツのポケットからタバコを取り出し、それにライターで火を点け、吸い始めた。
私に気を使ったのか、運転席の窓を開けてくれた。
「早瀬さん、タバコ吸うんですね?」
「そうなんです。
加賀見会長がタバコ嫌いだから、車では吸わないようにしてたのですが」
もう、この車には一夜は乗らない。
「真湖さん、すみません。
加賀見会長を、止めなくて」
きっと、早瀬さんには早瀬さんの思いや考えがあったのだろう。
この人も、一夜のように大切な人を奪われて、聖王会が憎くて。
一夜と同じ、復讐者。
「こうやって私に全てを話せとは、一夜からは頼まれてないですよね?」
「そうですね…。余計な事だったかもしれません」
「いえ。ありがとうございます」
全てを知って辛いけど、
知れて良かったのかもしれない。
何故、一夜は死んだのか。
「早瀬さんは、一人でもまだ聖王会に復讐を続けるのですか?」
「いえ。
元々、俺は加賀見会長に誘われて組入りした事になっていて。
その時に、加賀見会長が組を抜ける時は、俺も抜けると聖王会の幹部達には話してました。
加賀見会長が居なくなった今、もう俺は聖王会を抜けます。
もしかしたら、加賀見会長を殺されて、一緒に竜道会を潰そうとか、誰かに引き留められるかもしれませんが。
辞めますよ。俺は」
「そうですか」
きっと、それを一夜も望んでいるような気がした。
早瀬さんには、これからは表の世界で生きて欲しいと。