夜と遊ぶ
「じゃあ、真湖ちゃん車に乗って?」


一夜がそう言うと、永倉ジュニアじゃない方の男性が、
ベンツの後部のドアを開けた。


私は一夜に手を引かれ、そのベンツに乗る。


すぐに、二人もベンツに乗り込んで来る。


運転席に乗って来たのは、永倉ジュニアではない人で、
永倉ジュニアの方は、助手席に座っている。


「英二(えいじ)。
真湖ちゃん乗ってるから、安全運転で頼むね」


一夜は、その運転席の男性にそう声を掛けた。


この人は、英二っていうのか。



「分かりました」


英二はそう言って、車を発進させた。



「にしても、煙草臭い車だね。
窓開けて」


一夜がそう言うと、後部席の窓が開く。


私も少し、この車の煙草の臭いが気になった。



「すみません。次からは気をつけておきます」


そう言ったのは、永倉ジュニアの方。


このベンツはこの人の車で、この人は喫煙者って事か。


「真湖ちゃん、ごめんね。
こんな煙草臭い車に乗せて」


そう一夜に謝られるけど、


「え、全然気にしてないから、大丈夫!!」


そう、慌てて否定する。

それは一夜にというよりも、永倉ジュニアに対して。


だって、怖いもん。

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