夜と遊ぶ

ペットショップでのアルバイトを終え、
一夜との待ち合わせ場所へ。


それは、S町の歓楽街にあるコンビニの前。


まだ夕方だけど、既に独特の雰囲気のある場所。



「お姉さん、誰かと待ち合わせ?」


少し悪そうな男の子の三人組に、そう声を掛けられる。


高校生ではなさそうだけど、
私よりも年下っぽい。


三人とも派手な髪の色で、
私に話しかけて来た真ん中の人は首筋にタトゥーが入っている。



「え、まあ」

怖いな、と、人通りの多い場所だけど、不安になる。


「お姉さん、凄く俺のタイプ?
待ち合わせって、彼氏?友達?」


その真ん中のタトゥーの彼は、前のめりでグイグイと来る。


その子もそうだけど、サイドの子達も、わりと筋肉質で、強そう。



「…彼氏ではないけど」


かと言って、一夜は友達でもない。



「じゃあ、その友達と俺らとで飯でも行かない?」


「え、それは無理」


この子達は、私の待ち合わせが女の子だと思っているのだろう。

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