夜と遊ぶ
この辺りで夜景といえば、やはりこのビルだな。
S町駅のすぐ近くにある、37階建ての高層ビル。
最上階の37階は、展望フロアになっている。
「彼氏がこの辺りに住んでるなら、真湖ちゃん此処結構来てるかな?」
展望フロア直結のエレベーターを降り、一夜がそう声を掛けて来る。
「それが、実は初めて。
それに、もう彼氏じゃないから」
何度か昌也にこの展望フロアに行ってみたいとお願いしたが、
ここの入場料が高いのもそうだけど、特に昌也は夜景が好きとかもなく、一度も連れて来てくれなかった。
展望フロアのこの階は暗くて、一面の窓から夜景が見える。
遠くの町並みのネオンがキラキラと綺麗で、それに引き寄せられるように窓側に歩いて行くと、一夜も私に合わせ来てくれる。
「本当に凄く綺麗。ありがとう!」
なんだか、夜景が綺麗で、心が弾む。
「俺に夢中とか、あんな可愛い事言われたらね。
流石に此処は貸し切りには出来ないけど」
そういえば、ボーリング場のワンフロアを貸し切りにしていたな。
「別に、貸し切りじゃなくてもいいよ。
隣に一夜が居てくれるだけで」
そう言うと、一夜は私の肩を抱いてくれる。
それにドキドキとするけど、それ以上にホッとする。
「一夜、もしかしたら私の勘違いかもしれないけど。
一夜は昌也の事を、知ってた?」
「知ってた」
「なんで、前に知らない振りしたの?」
「別に、大した理由はないよ。
あの時、俺から彼氏の名前訊いといてあれだけど、本堂を知ってると答えて、話を広げてもつまらないな、って。
それに、実際、俺は本堂の事はよく知らないし。
前に、うちの組の奴が恐喝で捕まった時に、トップの俺の事も引っ張ろうと、サツが来て…。
ってので、アイツを知ってたくらい」
「そう…」
その話も、昌也から聞いた事がある。
一夜の言っているように、その恐喝の件で、一夜に任意同行を求めたが、断られた、と。
数人の警察官で、一夜の元に訪れたみたいなので、
一夜がぼんやりとしか昌也の事を知らないのも納得出来た。
S町駅のすぐ近くにある、37階建ての高層ビル。
最上階の37階は、展望フロアになっている。
「彼氏がこの辺りに住んでるなら、真湖ちゃん此処結構来てるかな?」
展望フロア直結のエレベーターを降り、一夜がそう声を掛けて来る。
「それが、実は初めて。
それに、もう彼氏じゃないから」
何度か昌也にこの展望フロアに行ってみたいとお願いしたが、
ここの入場料が高いのもそうだけど、特に昌也は夜景が好きとかもなく、一度も連れて来てくれなかった。
展望フロアのこの階は暗くて、一面の窓から夜景が見える。
遠くの町並みのネオンがキラキラと綺麗で、それに引き寄せられるように窓側に歩いて行くと、一夜も私に合わせ来てくれる。
「本当に凄く綺麗。ありがとう!」
なんだか、夜景が綺麗で、心が弾む。
「俺に夢中とか、あんな可愛い事言われたらね。
流石に此処は貸し切りには出来ないけど」
そういえば、ボーリング場のワンフロアを貸し切りにしていたな。
「別に、貸し切りじゃなくてもいいよ。
隣に一夜が居てくれるだけで」
そう言うと、一夜は私の肩を抱いてくれる。
それにドキドキとするけど、それ以上にホッとする。
「一夜、もしかしたら私の勘違いかもしれないけど。
一夜は昌也の事を、知ってた?」
「知ってた」
「なんで、前に知らない振りしたの?」
「別に、大した理由はないよ。
あの時、俺から彼氏の名前訊いといてあれだけど、本堂を知ってると答えて、話を広げてもつまらないな、って。
それに、実際、俺は本堂の事はよく知らないし。
前に、うちの組の奴が恐喝で捕まった時に、トップの俺の事も引っ張ろうと、サツが来て…。
ってので、アイツを知ってたくらい」
「そう…」
その話も、昌也から聞いた事がある。
一夜の言っているように、その恐喝の件で、一夜に任意同行を求めたが、断られた、と。
数人の警察官で、一夜の元に訪れたみたいなので、
一夜がぼんやりとしか昌也の事を知らないのも納得出来た。