夜と遊ぶ
「一夜、次はいつ会える?」
離れたくないけど、そろそろ降りないといけないような空気。
次は一夜にいつ会えるのかな?
「いつでも」
「え?」
「俺と真湖ちゃんは、彼氏と彼女なんだからいつでも会えるよ。
まあ、夕べ話したように俺けっこう暇だし」
そういえば、暇だから海外ドラマばかり見てるんだっけ?
「ただ、暫く俺、一人であのマンションの部屋から出られないかも」
「暫くも何も、本当に護衛も付けず勝手に出歩くのは、二度と辞めて下さい」
そう咎める早瀬さんの感じから、一夜に対する見張りの目は強化されそうだな。
「だから、真湖ちゃんいつでも俺の家に遊びに来て?」
「いつでもって、明日でもいいの?」
「いいよ。明日ね?」
明日、一夜と会えるのか。
「うん…」
私から一夜の両頬を包み込むように触れ、軽くキスをした。
自分でその大胆さに驚いてしまった。
「一夜、また明日」
「はーい」
一夜は、私の額に自分の額を付け、優しく笑う。
後ろ髪を引かれるような気持ちで、私は車から降りた。
だけど、また明日も一夜に会える。
そう思えば、気持ちが弾んだ。