夜と遊ぶ
「加賀見とこのまま別れるなら、俺は真湖と加賀見との事は忘れる。
俺も、絶対にもう浮気なんてしないから…。
今度は真湖の事、大切にするから…。
なぁ?頼むよ…」


私を見下ろす昌也の目は、泣いてるのか濡れている。


「どうせ、真湖と加賀見は先がないだろ?
絶対に、いつか別れる」


この人に言われて、改めて考えてしまった。


一夜と私は、ずっと一緒には居られない。


それも、それ程長くもない。


「…それでも、私は…一夜と居たい。
昌也とはやり直せない」


もし、一夜の存在が無ければ、
昌也の言葉に揺れたかもしれない。


だけど、私は今は本当に誰よりも一夜が好き。


昌也はそれ以上何も言わず、また強く腰を動かし出した。


それが先程よりも痛くて、
目を瞑りそれに耐える。


これは、罰なのか、と思ったけど。


一体、何に対して?と思った。


私は別に何も悪い事なんてしていない。


ただ、加賀見一夜を好きになっただけで。


昌也は、さらに腰を激しく動かし、
私の中で果てた。


その、今まで感じた事ない違和感。



「…昌也、着けてなかった?」


それもそうだけど、中で出された。



「…ごめん。外で出そうと思ったけど、間に合わなかった」


ちっともごめんなんて思っていない声で、そう言われる。


わざと、なんだと分かる。

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