気だるげ男子の無自覚な独占欲



 うんうん、気持ちはとってもわかる。


 お昼ご飯の後にお腹が満たされた幸福感と、窓から差し込むお日様の視線でつい眠たくなっちゃうよね。


 眠さが限界のときってベッドに倒れ込みたくなるよね、わかるよ。


 でもね……。


「ちなみに、私がいるってわかってた……?」

「当たり前でしょ。俺の視力は正常だし」

「そっかぁ」


 そっかぁ……見えてて(もぐ)り込んできたんだ。


 眠いもんね。そうだよね。


 よっぽど耐えられなかったんだね……。


「……だったら仕方ないね」

「うん」


 わかってもらえたのが嬉しいからか、私を抱く力が強くなった。


 シーツと湯本くんのシャツ、私のシャツそれぞれが(こす)れ合う音が響いて、なんとなくドキリとする。


 ……後ろめたいことをやっているつもりはないのに、悪いことをしている気分。


「最初は離れて寝てたんだけど」

「う、うん」


 そこは一応考えてくれたんだ。


 湯本くんの判断基準がいまいちよくわからない……。



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