気だるげ男子の無自覚な独占欲
◇ ◇ ◇
「なんであんたが実行委員なんかになってんの」
今までの学校生活の中で、一番居心地の悪かった時間を乗り切った翌日のお昼休み。
どことなく苛立ちを滲ませた湯本くんが、眉間に深い皺を作りながら私を問い詰めた。
……普段通りにベッドで横になっていた私を、真っ白なシーツに縫い留めて。
「えっと、なんか怒ってる……?」
最高の抱き枕だとお褒めの言葉をいただいてからというもの。
保健室で湯本くんに遭遇する度にベッドに引き摺り込まれて湯本くんの抱き枕になるものだから、お昼休みはお昼寝の時間となった。
それは夏季休暇が明けてからも変わらない。
私はともかく、育ち盛りであるはずの男子高校生がお昼ご飯を抜くのはどうかと思うけれど……聞いてみたところ、食欲よりも睡眠欲が勝るみたい。
湯本くんらしいなと思う。
ちなみに、保健室の先生には早々にバレて苦い顔をされたけども、『病人が来たらどいてもらうからね』と、私の目の下の濃い隈を撫でながら許してくれた。