鍵の皇子と血色の撫子

   * * *

 その後、金色の鍵皇子と呼ばれた第三皇子聖岳は、かつて血色の撫子姫と呼ばれた神官一族の白鷺宮家の令嬢を娶り、帝位を継ぐことになった無能な第二皇子の補佐として暗躍するようになった。
 もし彼が帝位を望んだら容易く手に入っただろうとひとびとは口にしたが、彼は帝の座よりもなによりも、妻を誰よりもなによりも大切に、第一に想っていたという。
 血色の撫子と畏れられた妻を溺愛する鍵の皇子の姿は一歩間違えれば国を滅ぼしていたかもしれない、だからこれで良いのだと、のちに父皇は語っている。



――fin.
< 21 / 21 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
恋愛観測

総文字数/8,557

恋愛(学園)19ページ

表紙を見る
初色に囲われた秘書は、蜜色の秘処を暴かれる

総文字数/10,007

恋愛(オフィスラブ)24ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop