心の温度
話し終えた知恵が彩音を見ると
彩音はタオルを出してポロポロ流れる涙を拭いていた。
「あ、彩音さん…ゴメンね…こんな話しをして…」

「ううん。真野主任にそんな辛く切ない事があったなんて思わなかったし… 七海ちゃんの笑顔を思い出したら泣けてきたの… 今日は泣いちゃってばかりでゴメンなさい。」

「こちらこそゴメンね。でもね、そんな辛い経験したお兄ちゃんだから彩音さん親子を傷つけたりしないからね。安心してね」

「うん… 」まだ涙が止まらない彩音だった。
「知恵さん、ゴメントイレに行って化粧を直して来るから、荷物お願いします。」

「うん。」
自分の事のように辛そうにしていた彩音を見て、反省した知恵。
彩音さんだって離婚したばかりだったのに、悪い事しちゃったなと申し訳ない気持ちになった。
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