心の温度

「ほら、以前大輔が北川さんは【お嫁さん候補】でたくさんの男性社員から狙われてる話しをご両親にしたんだよ俺。」
「ん。」
「そうしたらさ、ご両親は離婚でも元ダンナからの言葉で傷ついてるのに、今度は会社で彼女に好意をもつ男性たちからのアプローチで傷つかないか心配なさってて、　俺にさ〜………」
「俺に？　何？」
「ん……偽装恋人になって欲しいって頼まれたんだよ。知恵に相談したらさ、彼女や息子さんの事を考えたらお兄ちゃんが一肌脱いであげたら？って言っててさ〜」
「ああ〜。北川さんは告白やらアプローチを断るのに神経を使っていたって事か？」
「多分そうだと思う……社宅に越してきた大城も彼女狙いだと思うし…」
「ああ、同伴出勤したとか噂あったなぁ…」
「大輔は何でも知ってるんだなぁ」
「まぁな〜。それより彼女が倒れて息子さんは大丈夫だったか？可哀想にショック受けてたろ？」
「うん。泣きながらうちに助けを求めてきたんだよお母さんを守って偉かったんだ…」
「そうかあ。息子さんもお前を頼ってきたって事はさ〜息子さんに信頼されてるって事だろ？そんなお前だからこそご両親も"偽装恋人"を頼んだ訳だ。 俺も北川さんや息子さんを守る為にもその"偽装恋人"賛成！
「賛成？でも俺が恋人だとなったら社内の噂や嫌がらせとか無いか心配なんだよ」
「そうだなぁ。なんてったって【経理課のマドンナ】だもんなぁ。」
「ああ、」