心の温度
井上社長から
「じゃあ、健太郎、俺から紹介するな」
「ああ、頼む」
「悟くん、北川さん。佐藤とは親戚と話したけど
まず、俺と佐藤建築工業の社長の健太郎とは大学時代からの親友なんだけど、健太郎の妹と俺が結婚したので、健太郎は義理の兄になる。

こちらは佐藤 樹〈いつき〉専務。
甥で大輔のいとこ。

大輔は井上不動産で3年間全部署の仕事を覚えさせてから、佐藤建築工業で7年間修行させてたの。
佐藤での九州のプロジェクトを5年やったあと2年間は、設計室でお世話になったんだ。
その時に設計室の中川くんに仕事を教えてたんだよ
だから、大輔も中川くんも佐藤建築工業は古巣って感じかな?こんな感じ?」

「おじさん、真央さんの事が抜けてるよ〜」

「あ〜、悟くんは全部知ってるけど、一応北川さんにも話をしておくか?」

「父さん、俺の事はいいんだよ〜」
「いいえ!奥様と北川さんは似たシチュエーションだと思いますよ?
私からお話しさせていただいたます!
あれはオレが2年目の時、副社長は主任でしたが、社内でモテモテでした。
同じ設計室に事務として立川 真央さんがいました。とても優しくて、美人で社内でも大人気でしたが、付き合いの長い彼氏がいました。何と、その彼の浮気で破局。そのすぐ後で立川さんのアパートが火事になり、精神的にも助けて支えて速攻プロポーズからの婚約し、結婚をしてから井上不動産の副社長に就任したのです!」

彩音は副社長がそんな情熱的な人だとは思わなかった。クールな感じの人だと思っていたから…

「あ!それと、自宅では怪獣役を…」
「中川!それはプライベートすぎだろ!」
男性全員がハハと笑っている。

私は目を見開いて副社長をガン見してしまった。
< 163 / 330 >

この作品をシェア

pagetop