心の温度

「副社長ですか？」
「ああ。さっきの佐藤　亮リーダーはさ、超有名な若手建築家なんだよ」
「以前チラッと大輔から『いとこに今まで分からなかった才能の持ち主がいた』とは聞いた事あったんだ。大輔だって大学時代に若手建築家の登竜門であるコンクールで最優秀賞取ってるんだわ。俺なんかその時は2番の優秀賞で…
あの佐藤亮さんはそのコンクールでもスペインでも最優秀賞だったし、ドイツのコンクールも金賞でさ〜彗星の如く現れて、コレまた学生なんかの憧れの斉藤拓海さんという建築家がいるんだけど、そこの所属の建築家なんだ！」

珍しく熱く語る真野主任を見上げた。
「良かったですね。いろいろと主任にとって勉強になるって事ですもんね」ニコ

「あ、ごめん。まさか一緒に仕事出来るとは思わなかったから…ちょっと興奮したわ」